恵文社一乗寺店 スタッフブログ

恵文社一乗寺店の入荷商品やイベントスケジュール、その他の情報をスタッフが発信いたします。

前田一郎 八月のガラス

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夏本番のこの時期恒例、前田一郎さんの展示会が今年も始まりました。吹き竿に水飴のように溶けたガラスを巻き取り、竿をくるくると回転させて形をつくる、吹きガラスの作品たち。熱に溶けるガラスの表情をそのまま残したような形状は、前田さんならではの特徴です。水のコップ、ジュースのコップ、ぷつぷつのコップ、気のないコップなど。ガラスの風鈴(型染作家・関美穂子さんによる手染め紙付き)が並ぶ景色も目に涼しく、それぞれ音が違いますので、鳴らしてみてください。

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前田一郎 八月のガラス
8月3日 - 8月16日
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

 

(田川)



2019年7月書店売上ランキング

昨日、暑いですねと挨拶をした営業さんに、気が滅入るからやめてくれと笑いながら言われました。確かに、この数日は誰と話しても暑さの話題から会話がはじまります。郊外の住宅地にはつきものなのでしょうが、一乗寺の道には日陰があまりありません。夏、涼める場は貴重です。

 

だからというわけでもありませんが、ひとつご案内を。当店の奥、イベントスペース「COTTAGE」にて月、水、金と喫茶営業をはじめました。月曜日はもう何年も営業している「喫茶never on monday」、水曜日は8月から加わる、京都のデザインユニット午睡舎の「喫茶惰眠パーラー」。金曜日は、私、書店スタッフによるまだ屋号もなにもない喫茶です。月曜日の喫茶は8月中、おやすみするそうですが、夏の間、水曜日、金曜日は喫茶にて涼んでいただけます。本探しの合間に、ぜひ。

 

それでは、7月の書籍売上ランキングをご紹介します。

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1位『夜の木8刷』バッジュ・シャーム他(タムラ堂)

 

2位『日本発酵紀行』小倉ヒラク(D&DEPARTMENT PROJECT)

 

3位『天文学と印刷新たな世界像を求めて展覧会図録』(凸版印刷株式会社印刷博物館)

 

4位『Spectator vol44 ヒッピーの教科書』(エディトリアル・デパートメント)

 

5位『たぷの里』藤岡拓太郎(ナナロク社)

 

6位『京都のいいとこ。』大橋知沙(朝日新聞出版)

 

7位『てくてく青空登山』安西水丸(ミューレン編集部)

 

8位『彦坂木版工房作品集 旬』(彦坂木版工房)

 

9位『ホホホ座の反省文』山下賢二松本伸哉(ミシマ社)

 

10位『A Book Cat Dictionary』中西なちお(書肆サイコロ)

 

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1位は、南インドの出版社タラブックスの代表作『夜の木』。年々、その知名度を国内でもあげてきたタラブックスですが、もはや説明がいらないほどに人気が高まりました。製紙、印刷、製本に至るまですべて手作業でつくられるハンドメイド絵本。8刷の今回、当店入荷分はほぼ予約で完売してしまいました。当店では一時のブームにならぬよう、これからも丁寧に販売していきたいと思います。誤解されがちですが、タラブックスには、民族画やハンドメイドの本ばかりではなく、リソグラフやオフセットにも良い作品が多数あります。ぜひ、出版物の多様性にも注目されてみてはいかがでしょうか。

 

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2位は、発酵デザイナー・小倉ヒラクさんの『日本発酵紀行』です。7/19(金)には、ヒラクさんをお招きしたトークイベントを開催しました。今回の新刊は、日本全国47都道府県の発酵文化をリサーチするために敢行された8ヶ月に及ぶ旅の記録です。酒、醤油、味噌をはじめ、名前を聞いたこともないような発酵食とそれにまつわるローカリティや歴史について語っていただきました。かつての基幹産業でもあった発酵食にまつわる産業が、経済や海運、保険や金融にも影響を与えていたという壮大な話を、流れるように解説。あっという間の2時間となりました。ヒラクさんのトークはやっぱり面白い。

 

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3位は、この数ヶ月手に取られ続けている展覧会図録『天文学と印刷新たな世界像を求めて展覧会図録』。一時的に品切れていましたが、再入荷しました。

 

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4位は、雑誌『Spectator』の最新号。「Whole Earth Catalogue」や「宝島」などの雑誌の系譜にある本誌ですが、ついに真正面からのヒッピー特集です。戦争、ロック、ビートニク、禅。コミックや人物帖などを手段にわかりやすく解説されています。書店内にて、関連書籍をまわりに並べたフェアを展開中。意外にも一緒に手に取られる本は禅について書かれたものが多い印象です。

 

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5位は、ギャグ漫画家・藤岡拓太郎、初の絵本『たぷの里』。坊主頭の少年と真剣な眼差しを向ける力士が登場するユーモア溢れる絵本。レジ横の絵本売り場からよく笑い声が聞こえます。昨日、サイン本が追加入荷しました。

 

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6位は、大橋知沙さんの『京都のいいとこ。』。老舗から新しい店まで、何かと使い勝手が良い一冊です。著者の目線が存分に感じることができます。人気のため、現在品薄。

 

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7位は、安西水丸『てくてく青空登山』。こちらも発売以来長く人気です。当店では幅広い年代の手に取られている一冊。

 

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8位は、彦坂木版工房さんの5年ぶりの最新作品集『旬』。JA兵庫六甲の会報誌で描かれた、野菜や果物のイラストをまとめた一冊です。日本の伝統工芸でもある木版画の技術を用いて描かれた野菜たちはどれもみずみずしく、夏にながめていると涼しげです。

 

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9位は、同じ左京区の店ホホホ座さんが著者となった一冊『ホホホ座の反省文』。山下さんの『ガケ書房の頃』もそうでしたが、意外に恵文社でもよく手に取られています。

 

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10位は、「旅するレストラン」主宰のトラネコボンボン・中西なちおさんによる猫の英語辞典『A Book Cat Dictionary』。造本も美しい一冊。こちらも品薄でしたが、再入荷しました。

 

いかがでしたでしょうか。

今月は以上です。また来月もお楽しみに。

 

(鎌田)

ボロシル ヴィジョングラスのご紹介

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真夏の厳しい暑さが続く中、生活館に涼し気なグラスが入荷いたしました。ヨーグルトやゼリー、手作りデザート、冷たいスープやサラダの盛り付けなど、夏の食卓にはガラス容器がかかせません。1962年創業のインドの老舗ガラスメーカ-「VISION GLASS」をご紹介いたします。

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ヴィジョングラスはインドの理化学ガラスメーカー・ボロシル(BOROSIL)社が製造する耐熱グラスです。実験用ビーカーと同じホウケイ酸ガラスを用いており、その優れた耐熱性は、消費者庁の定める「家庭用品品質表示」では「直火用」に分類されます。グラスに食材を入れて直火で温めたり、沸騰させることが可能。電子レンジやオーブンに入れての調理することもできます。調理した料理を食卓へ運べば、そのまま食器としておたのしみいただけます。

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薄く繊細な造り、余計な装飾性のないミニマムさが新鮮で「飲み物を注ぐグラス」「料理を盛り付ける器」「花を活ける花器」「デスク周りの文房具入れ」など、暮らしのなかの様々なシーンでご使用ください。

 

(萩原)

夏休みにおすすめのおりがみのご案内

 

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夏休みに入り、子どもたちの元気な声が飛び交う季節になりました。
旅行でご両親やご家族連れで、当店にご来店いただくお子さまたちに、喜んでいただけそうな、名作絵本シリーズのおりがみが再入荷しました。

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絵本「スイミー」や「フレデリック」で人気のある、レオ・レオ二のおりがみは2種類をご用意。折り進めると、絵本の主人公の形になったり、塗り絵遊びができたり、お手紙にもなる、仕掛けが盛りだくさんのおりがみです。紙質も程よい厚みがあり、折り目美しい出来栄えに仕上がるのも、嬉しいですね。

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おりかたや遊びかたの説明書も付いており、とても可愛いらしい作品になります。電車や車など移動手段の中での、お子さまたちとの遊びにもちょうど良いです。

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こちらは、アーノルド・ローベルのロングセラー絵本「がまくんとかえるくん」のシリーズより。落ち着いた色合いも美しく、絵本と一緒に本棚に並べておくと可愛らしく、栞代わりに挟んでもお洒落ですね。

おりがみは日本を代表する創造性豊かな遊び。子どもだけでなく、大人の方にもぜひ一緒に楽しんでいただける面白い仕掛けも沢山あります。手を動かしものをつくる喜びを、おりがみを通して親子で沢山体感してみませんか。

名作絵本おりがみ レオ・レオニ ①
名作絵本おりがみ レオ・レオニ ②
名作絵本おりがみ がまくんとかえるくん

 

(星山)

平尾英祐 個展「詩集を抱いて」

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ギャラリーアンフェールでは、平尾英祐さんによる初めての個展「詩集を抱いて」がスタートしました。水中に遊ぶ魚たちのように涼やかに、木版画作品が壁を飾ります。

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真っ先に目に飛び込むのは、中央の大きな作品。「ひとひかげのブルーム」という素敵な名前がついています。遠く高く突き抜ける青空のような、喧騒を遮るようにどぶんと潜るひんやりとしたプールの底のような。深く爽やかな色合いが目の前いっぱいに広がってとても気持ちいい。

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今回の案内状にもなった夕焼けの灯台が描かれた作品は「compass」。思っていたより大きな作品で、全てを包み込む優しさを感じる柔らかい朱の色が印象的です。

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お隣は「kaleido scope」。漁火のような星影のような、散りばめられた光の粒が木版画で美しく表現されています。

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小さな魚が群れをなして、ギャラリーへ誘ってくれるような作品群は"memo"シリーズ。お部屋に飾りたくなるちょうどよいサイズ感の作品は、小さいながらも木版画の魅力がぎゅっと詰まっています。

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頭の中でなら自由に駆け巡らせることができる想像は、見せることができなくて、言葉にするのが難しい。そんなとっておきの景色が、手間隙かけて丹精込めて、紙の上に躍り出たよう。

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印刷の手法として古くから活躍していた木版。日本では江戸時代の浮世絵でめざましく発展したそうで、今もご存知の通り美しい作品が数多く残されています。

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すっと静かに佇む凛とした空気感を纏った作品とは裏腹に、よく見れば躍動する彫り筋。版木に向き合う作家の熱量はきっと凄まじく、そこに色をのせて紙を置きばれんをあてる、木版画ならではの一連の所作も美しい。直接描かれる絵画とは少し違って、作家と、作品と、みる人、それぞれの間に心地よい距離感がある気がします。

そういえば木版画の展示は久しぶりで、今回の平尾さんの作品を眺めていたら、そんな木版画の魅力に思いが巡りました。

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静寂の水底で微かな音をたてて漂う魚たちのように、知らない何処かでそっと飛んでいった一片の花びらのように、儚いけれど一瞬の煌めきが心に触れる。暑さをふと忘れさせてくれる心地よい空間になりました。どうぞゆっくりお過ごしください。ご来場をこころよりお待ちしております。

 

平尾英祐 個展「詩集を抱いて」
開催期間:2019年7月30日(火)-8月5日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール

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わたしは散歩が好きで、音楽を聴くのが好きで、絵本が大好きです。
散歩で見つけたあれこれが、音楽のもつイメージが、絵本の慈しみがわたしの作品の種です。

今回が初めての個展なので、どんな空間になるのか、わたし自身楽しみで不安です。それでも、おしゃべりをしたり、静かに見たりと、さまざまな風景を想像するととてもわくわくします。

ただ空間を漂うだけでかまいません。

その時間をときどき思い出して、何かのお力なれば幸いです。

 

 

(上田)

『大人ごはん』vol.3 刊行記念ブックフェアのお知らせ

 

 

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「食」を通して、なんでもない日々を見直す小さな雑誌『大人ごはん』。

第3号の刊行を記念し、現在書籍フロアにてブックフェアを開催しています。今号の特集は「ひとりの時間を考える」「小豆島で農村歌舞伎を観てきました」の二本立て。

 

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「日々の暮らしは、盛んに報道されるセンセーショナルな事件、ドラマチックな愛憎劇、大文字の政治経済、美しくおしゃれに整えられた暮しとは程遠く、もっと雑多で、淡々としたものの積み重ねでできています」(巻頭のことばより)

そう語る編集長・室谷明津子の気の向くまま足の向くままに出会った、なんでもない日々を暮らす人々への取材、エッセイを収録した一冊。

 

第一特集「ひとりの時間を考える」では、植本一子、ツレヅレハナコ、高橋順子によるそれぞれの「ひとりでの食事で見えてくるもの」を紹介。パートナーを亡くしたあとのごはんの時間、或いは日々の密かな楽しみであるひとり晩酌の時間…。ひとりの時間は孤独である、という凝固したイメージにとらわれることなく、ありのままに時間と向き合う大切さや底知れない愉しさについて語ります。お酒に合う絶品おつまみレシピの紹介も。

 

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第二特集は「小豆島で農村歌舞伎を観てきました」。小豆島で暮らす島人たちの、島人たちによる、江戸時代より続いている娯楽「農村歌舞伎」と、賄い・おもてなしの「わりごう弁当」について。舞台の裏側や村の暮らしを見つめ、文化とコミュニティの関わりについて考えます。

 

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また、ラテンアメリカ文学者の旦敬介と門内ユキエ夫妻によるアフロ・ブラジル料理について追求した「何食べて生きてく?」のコーナーや、『メタモルフォーゼの縁側』作者の鶴谷香央理による漫画エッセイ「元気が出るもの」などなど、淡々と流れゆく日々にそっと寄り添ってくれるおいしい小咄をたっぷりと詰め込んだ一冊です。 

読み進めていくうちにきっと、味わい深いお酒と肴を求め、自然と台所へ足が向かうはず。

 

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また今回の『大人ごはん』第3号の刊行に併せ、ひとりの時間にじっくりと向き合ってくれるレシピを収録した書籍なども同時展開。ご来店の際に、ぜひお楽しみください。

 

 

www.keibunsha-books.com

 

 

『大人ごはん』vol.3 刊行記念ブックフェア

2019年7月16日 - 8月31日

恵文社一乗寺店 書籍フロアにて

 

(韓)

 

 

イブル 新色入荷のお知らせ

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韓国のお布団、イブル。ベットやソファーに掛けたり、お子さまのプレイマットとしたり、場所や季節を問わずにお使い頂ける便利な1枚。表面(外布)は綿ですが、中綿はポリエステルなので軽く、持ち運びも簡単。この時期には、さっと床に敷いてそのままお昼寝を…。汗をかいても、洗濯機でそのまま丸洗いして頂けます。ホワイトとグレーの2色のみ、定番のシングルサイズ(115×200cm)に加えてセミダブルサイズ(150×210cm)もご用意しました。今月末にかけて、新しくヘリンボーン柄や中間色のシリーズも入荷予定ですので、お楽しみに。

特集コーナーは こちら

 

(田川)