恵文社一乗寺店 スタッフブログ

恵文社一乗寺店の入荷商品やイベントスケジュール、その他の情報をスタッフが発信いたします。

2019年7月書店売上ランキング

昨日、暑いですねと挨拶をした営業さんに、気が滅入るからやめてくれと笑いながら言われました。確かに、この数日は誰と話しても暑さの話題から会話がはじまります。郊外の住宅地にはつきものなのでしょうが、一乗寺の道には日陰があまりありません。夏、涼める場は貴重です。

 

だからというわけでもありませんが、ひとつご案内を。当店の奥、イベントスペース「COTTAGE」にて月、水、金と喫茶営業をはじめました。月曜日はもう何年も営業している「喫茶never on monday」、水曜日は8月から加わる、京都のデザインユニット午睡舎の「喫茶惰眠パーラー」。金曜日は、私、書店スタッフによるまだ屋号もなにもない喫茶です。月曜日の喫茶は8月中、おやすみするそうですが、夏の間、水曜日、金曜日は喫茶にて涼んでいただけます。本探しの合間に、ぜひ。

 

それでは、7月の書籍売上ランキングをご紹介します。

----------------------------------------------------------------------

 

1位『夜の木8刷』バッジュ・シャーム他(タムラ堂)

 

2位『日本発酵紀行』小倉ヒラク(D&DEPARTMENT PROJECT)

 

3位『天文学と印刷新たな世界像を求めて展覧会図録』(凸版印刷株式会社印刷博物館)

 

4位『Spectator vol44 ヒッピーの教科書』(エディトリアル・デパートメント)

 

5位『たぷの里』藤岡拓太郎(ナナロク社)

 

6位『京都のいいとこ。』大橋知沙(朝日新聞出版)

 

7位『てくてく青空登山』安西水丸(ミューレン編集部)

 

8位『彦坂木版工房作品集 旬』(彦坂木版工房)

 

9位『ホホホ座の反省文』山下賢二松本伸哉(ミシマ社)

 

10位『A Book Cat Dictionary』中西なちお(書肆サイコロ)

 

 ----------------------------------------------------------------------

 

f:id:keibunshabooks:20190803160243j:plain

1位は、南インドの出版社タラブックスの代表作『夜の木』。年々、その知名度を国内でもあげてきたタラブックスですが、もはや説明がいらないほどに人気が高まりました。製紙、印刷、製本に至るまですべて手作業でつくられるハンドメイド絵本。8刷の今回、当店入荷分はほぼ予約で完売してしまいました。当店では一時のブームにならぬよう、これからも丁寧に販売していきたいと思います。誤解されがちですが、タラブックスには、民族画やハンドメイドの本ばかりではなく、リソグラフやオフセットにも良い作品が多数あります。ぜひ、出版物の多様性にも注目されてみてはいかがでしょうか。

 

f:id:keibunshabooks:20190803160324j:plain

2位は、発酵デザイナー・小倉ヒラクさんの『日本発酵紀行』です。7/19(金)には、ヒラクさんをお招きしたトークイベントを開催しました。今回の新刊は、日本全国47都道府県の発酵文化をリサーチするために敢行された8ヶ月に及ぶ旅の記録です。酒、醤油、味噌をはじめ、名前を聞いたこともないような発酵食とそれにまつわるローカリティや歴史について語っていただきました。かつての基幹産業でもあった発酵食にまつわる産業が、経済や海運、保険や金融にも影響を与えていたという壮大な話を、流れるように解説。あっという間の2時間となりました。ヒラクさんのトークはやっぱり面白い。

 

f:id:keibunshabooks:20190803160334j:plain

3位は、この数ヶ月手に取られ続けている展覧会図録『天文学と印刷新たな世界像を求めて展覧会図録』。一時的に品切れていましたが、再入荷しました。

 

f:id:keibunshabooks:20190803160342j:plain

4位は、雑誌『Spectator』の最新号。「Whole Earth Catalogue」や「宝島」などの雑誌の系譜にある本誌ですが、ついに真正面からのヒッピー特集です。戦争、ロック、ビートニク、禅。コミックや人物帖などを手段にわかりやすく解説されています。書店内にて、関連書籍をまわりに並べたフェアを展開中。意外にも一緒に手に取られる本は禅について書かれたものが多い印象です。

 

f:id:keibunshabooks:20190803160352j:plain

5位は、ギャグ漫画家・藤岡拓太郎、初の絵本『たぷの里』。坊主頭の少年と真剣な眼差しを向ける力士が登場するユーモア溢れる絵本。レジ横の絵本売り場からよく笑い声が聞こえます。昨日、サイン本が追加入荷しました。

 

f:id:keibunshabooks:20190803160505j:plain

6位は、大橋知沙さんの『京都のいいとこ。』。老舗から新しい店まで、何かと使い勝手が良い一冊です。著者の目線が存分に感じることができます。人気のため、現在品薄。

 

f:id:keibunshabooks:20190803160524j:plain

7位は、安西水丸『てくてく青空登山』。こちらも発売以来長く人気です。当店では幅広い年代の手に取られている一冊。

 

f:id:keibunshabooks:20190803160534j:plain

8位は、彦坂木版工房さんの5年ぶりの最新作品集『旬』。JA兵庫六甲の会報誌で描かれた、野菜や果物のイラストをまとめた一冊です。日本の伝統工芸でもある木版画の技術を用いて描かれた野菜たちはどれもみずみずしく、夏にながめていると涼しげです。

 

f:id:keibunshabooks:20190803160543j:plain

9位は、同じ左京区の店ホホホ座さんが著者となった一冊『ホホホ座の反省文』。山下さんの『ガケ書房の頃』もそうでしたが、意外に恵文社でもよく手に取られています。

 

f:id:keibunshabooks:20190803160555j:plain

10位は、「旅するレストラン」主宰のトラネコボンボン・中西なちおさんによる猫の英語辞典『A Book Cat Dictionary』。造本も美しい一冊。こちらも品薄でしたが、再入荷しました。

 

いかがでしたでしょうか。

今月は以上です。また来月もお楽しみに。

 

(鎌田)