現在、書籍フロアではアイルランド出身パリ在住のアーティスト、Nigel Peake(ナイジェル・ピーク)の新作『SIDES』出版記念ポスター展示販売フェアを開催中です。
都市や田園、建築物や植物、地平線からの眺めなど、世界中を旅しながら様々な風景に個別の構成要素を見いだし、ミニマルかつシンプルに描き出す Nigel Peake。小屋、鳥、競技場、階段、ファサード、窓、橋、地図、ポケットの中から取り出されたレシートなど風景からランダムに取り出されるオブジェクト、緻密なドローイングやカラフルなペインティングなど連作ごとに自在に変化する技法。
ときに無機質で時間が静止したようにすら感じられる無人の作品世界には、フリーハンドの描線がもたらす豊かなレイヤー、あたたかな色調や多彩な視点の変化が生み出す軽やかさのようなものも内包されています。
パリのギャラリー Yvon Lambert での展覧会にあわせて制作された今作『SIDES』は、パリ、東京、上海、ニューヨークなどで観察した風景を描いた連作を収録し、彼のこれまでに培ってきたバリエーションに富んだ作風や視点を存分に楽しむことができる一冊。
都市のなかに存在する意図されざるパターンや文様などの技術や意匠の美しさ。鳥や虫、ドローンなど人間ではないものにパースをあずけたような視点の運動。異なるレイヤーとエレメントが混じりあうランドスケープ。空港の滑走路から繁茂する植物まで、その物質性にかかわらず目の前に現れた風景という共通点から抽象的に取り出された世界。そのフィルターを通過し、あらためて一見ありふれた景色に目を向けてみれば、風景に潜むさまざまな未知の領域が見えてくるかもしれません。
本作や過去作にあわせ、店頭フェアでは Yvon Lambert での展覧会にあわせて制作されたポスターを展示販売中です。
日本滞在時、国東半島にある友人の自邸の庭を台風が通過した際の風景を描いたシリーズ "GO GO" からの一作は、本展覧会にあわせて出版された本作『SIDES』にも収録されています。クリーム地の紙に描かれたのは奥行きや風景の密度を感じさせる日本庭園の緑。ラフなスタイルの中に複雑さをそなえる彼独特の作風はいつ見ても新鮮な驚きがあり、インテリアとして日々眺めるのにもぴったりです。
比較的お求めいただきやすい価格ですのでこちらもぜひ店頭でご覧ください。
Nigel Peake『SIDES』刊行記念ポスター展示販売
2018年8月1日 - 8月31日
恵文社一乗寺店 書籍フロア
※作品集、ポスターいずれもオンラインショップでもお取り扱いがございます。
遠方の方はこちらをご利用ください。
■『SIDES』Nigel Peake(Yvon Lambert)
■‘SIDES’ POSTER by Nigel Peake(Yvon Lambert)
(涌上)