恵文社一乗寺店 スタッフブログ

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ロベール・クートラス展「小部屋のクートラス」

フランスの画家、ロベール・クートラス(1930-1985年)。「現代のユトリロ」と称されながらも自ら画壇を離れ、貧しい生活の中で作品をつくり続けたそうです。彼の作品集『ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』 (エクリ刊)の出版を記念して、このたびギャラリーアンフェールでは『ロベール・クートラス展「小部屋のクートラス」』を開催中です。

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自分の本当に作りたいものに生涯をかけたクートラス。彼がこの世を去った後も残された作品たちには、彼の体温―頬を伝う涙のような、けだるいため息のような、静かなぬくもりがいつまでも宿っているよう。キャンバスの中にぎゅっと込められた人間的な感情や体温が静かに確かに伝わってきて、時に胸をしめつけ、時に安らぎを与えてくれる、対話しているような感覚があります。そんなクートラス作品がギャラリーに登場。絵画、デッサン、オブジェ作品などが集まりました。

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こちらは特にクートラスならではの作品ではないでしょうか。拾い集めた厚紙を切って毎夜描きためられたという「僕の夜」と名付けられたカルト作品。

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手札サイズにこだわり、物語のように展開されたものや、タロットカードのようなもの、ユーモラスな絵柄など、数千におよぶ多数の作品が残されました。手のひらに乗る程の小さなカード。子どもの頃に集めた秘密の宝物のよう。

 

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クートラスが過ごした家や作品の数々が収められた写真は、写真家 平地勲さんの作品。クートラスの小部屋に招かれ、作品をみせてもらっているような優しい表情の写真が並びます。

 

作品集『ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』(エクリ刊)はもちろん、クートラスの関連書籍も取り揃えました。収められた作品を楽しむことはもちろん、どの書籍も寄稿された文章やクートラスのさまざまなエピソードが、どれもすてきな言葉で綴られていて、じっくり読みながら作品をより深く味わっていただけます。

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はじめて出会ってもどこか懐かしい感覚に包まれるクートラス作品。クートラスをご存知の方もそうでない方も、一人でも多くの方に出会っていただけますように。この機会に、ご来場をこころよりお待ちしております。

 

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また大山崎山荘美術館では『ロベール・クートラス「僕は小さな黄金の手を探す」展』も開催中です。作品の空気感にぴったりの冬枯れの山荘で出会うクートラス作品は、時間を忘れて過ごしたくなる心地よさでした。ぜひこちらも足をお運びください。

前期:~1月29日(日)/後期:1月31日(火)~3月21日(日)

詳細は大山崎山荘美術館ホームページにてご確認くださいませ。

http://www.asahibeer-oyamazaki.com/

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ロベール・クートラス展「小部屋のクートラス」

開催期間:2017年1月24日(火)-30日(月)

開催時間:10:00-21:00(最終日は18:00まで)

開催場所:ギャラリーアンフェール

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フランスの画家 ロベール・クートラス(Robert Coutelas 1930-1985)の作品集『ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』(エクリ刊)の出版を記念し、ロベール・クートラス展「小部屋のクートラス」を開催いたします。

 

手札サイズのカルト、グァッシュ、油彩に加え、小さなオブジェ、写真家・平地勲氏が長年にわたり撮影してきたクートラスの作品群の写真を展示します。

※なお、作品の販売はいたしません。

 

 

(上田)