恵文社一乗寺店 スタッフブログ

恵文社一乗寺店の入荷商品やイベントスケジュール、その他の情報をスタッフが発信いたします。

今週の新入荷、1月第4週

早いもので1月も終わりが近づいてきました。朝晩は最も冷え込む季節。暖かくした部屋でゆっくり本を読み、いつしかうとうと眠りに落ちるのもまた読書の醍醐味のひとつですね。
今週も良い本がたくさん入荷しております。

 

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今週まずご紹介したいのが、幻の漫画の復刻版『ちひろのお城 千明初美作品集』。『黄色い本』や『ドミトリーともきんす』などでおなじみの漫画家・高野文子さんが全面的に企画・監修を担当され、書籍のカバーデザインや帯文まで手がけられた、愛に満ちた一冊です。70年代後半にたった3冊の単行本が刊行されたきり、長らく陽の目を見ることのなかった千明(ちぎら)さんの少女漫画は、学童期や思春期を迎えた少年少女たちの繊細で多感な心の交流と成長を生き生きと描いたもので、収められた5編はいずれも名作揃い。高野さんが『黄色い本』を書き上げたあと、自身の作品にその影響が色濃く反映されていることを自覚されたという「お二階は診察室」は、昭和30年代、まだ自宅で出産する人の多かった時代の助産婦さんの娘を主人公に据えた作品で、細かい描写やさりげない会話の中に往時の暮らしぶりがうかがい知れる貴重な一編。当時を知る人には懐かしく、若い世代には新鮮な輝きを見せる可愛らしい一冊です。

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ご購入のお客様には、ポストカード特典と、千明作品のディテールへの偏愛ぶりを自ら描いた高野文子さんのメッセージペーパー特典をお付けします。数に限りがございますので、気になる方はお早めにぜひ。

 

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ロンドン在住のイラストレーター、Emily Randの作品集『In The Garden』も今週届いた楽しい一冊。描かれたイラストの線に沿ってページの上部がカットされた冊子状の作品で、ページを開くごとに種類の異なる木々が立ち並ぶ庭をずんずんと先へ歩くような奥行きを感じ取れる仕掛け。紙メディアならではの遊び心が詰まっています。開いた状態で置けば、可愛らしいオブジェにも様変わり。ふわふわと庭を漂う赤い羽根を追いかけて行き着いた先には?ぜひページを開いて確かめてみてください。

 

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都市空間における人々の記憶を書籍としてまとめアーカイブしていくことを目的としたTOO MUCH Magazineの新しいブックシリーズ「Romantic Geographic Archive」。シリーズ第1弾は、アメリカ・ロサンゼルス在住のフォトグラファー、エイミー・スー(Ami Sioux)の『AMI SIOUX TOKYO 35ºN』。東京に住む生活者50人にそれぞれの大切な場所を手描きの地図で表現してもらい、その地図を頼りに都市を歩き、ひとつひとつの場所を訪れカメラに収めたコンセプチュアルな写真集です。誰かの記憶を経由することで見知った風景もこれまでと異なった表情を見せることの不可思議さ。何より、写真とともに掲載された手書きの地図に表れた個々人の差異そのものが、街と人の関係の多様性を示唆するユニークなものばかり。カバンに入れて持ち歩き、他者の描いた線を辿る旅もきっと楽しいものでしょう。

 

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最後にご紹介するのはこちら。陶器やファブリック、版画などを制作する福岡県在住のアーティスト、鹿児島睦さんが手がけたお皿と、10人の料理家たちが作るおやつの幸福な出会いを収めた写真絵本『なにのせる?』。カラフルで可愛らしい動植物が生き生きと描かれたお皿に乗ったプリンやクッキー、ケーキや果物、ドーナッツやカステラ、おはぎやおにぎりの美味しそうなこと!おやつを準備したのは、内田真美さん、いがらしろみさん、桑原奈津子さん、なかしましほさん、たかはしよしこさんなど、当店でもおなじみの人気の料理家ばかり。それぞれのレシピも巻末にて紹介されています。お気に入りの陶器を見つけたときの胸の躍るようなわくわくが思い出される素敵な絵本です。

 

その他、長崎訓子さん責任編集の漫画特集が保存版になりそうな『飛ぶ教室48号』、映画に登場する印象的な食のシーンを羅列したチープな魅力が満載の『Cooking with Scorsese』シリーズ2タイトル、これまでにも様々な文芸作品を漫画表現に落とし込んできた近藤ようこさんによる夏目漱石原作の『夢十夜』、全国の書店員や本屋好きの方々には待望の2冊、大井実さん『ローカルブックストアである 福岡ブックスキューブリック』と、荻窪の本屋・Titleの辻山良雄さん『本屋、はじめました』なども入荷しています。

それでは、また来週をお楽しみに。

 

《今回紹介した本》
『ちひろのお城 千明初美作品集』復刊ドットコム

http://www.keibunsha-books.com/shopdetail/000000020777/

『In The Garden』Emily Rand/Hato Press

http://www.keibunsha-books.com/shopdetail/000000020744/

『AMI SIOUX TOKYO 35ºN』TOO MUCH Magazine

http://www.keibunsha-books.com/shopdetail/000000020775/

『なにのせる?』鹿児島睦/文化出版局

http://www.keibunsha-books.com/shopdetail/000000020776/

 

(涌上)

ロベール・クートラス展「小部屋のクートラス」

フランスの画家、ロベール・クートラス(1930-1985年)。「現代のユトリロ」と称されながらも自ら画壇を離れ、貧しい生活の中で作品をつくり続けたそうです。彼の作品集『ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』 (エクリ刊)の出版を記念して、このたびギャラリーアンフェールでは『ロベール・クートラス展「小部屋のクートラス」』を開催中です。

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自分の本当に作りたいものに生涯をかけたクートラス。彼がこの世を去った後も残された作品たちには、彼の体温―頬を伝う涙のような、けだるいため息のような、静かなぬくもりがいつまでも宿っているよう。キャンバスの中にぎゅっと込められた人間的な感情や体温が静かに確かに伝わってきて、時に胸をしめつけ、時に安らぎを与えてくれる、対話しているような感覚があります。そんなクートラス作品がギャラリーに登場。絵画、デッサン、オブジェ作品などが集まりました。

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こちらは特にクートラスならではの作品ではないでしょうか。拾い集めた厚紙を切って毎夜描きためられたという「僕の夜」と名付けられたカルト作品。

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手札サイズにこだわり、物語のように展開されたものや、タロットカードのようなもの、ユーモラスな絵柄など、数千におよぶ多数の作品が残されました。手のひらに乗る程の小さなカード。子どもの頃に集めた秘密の宝物のよう。

 

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クートラスが過ごした家や作品の数々が収められた写真は、写真家 平地勲さんの作品。クートラスの小部屋に招かれ、作品をみせてもらっているような優しい表情の写真が並びます。

 

作品集『ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』(エクリ刊)はもちろん、クートラスの関連書籍も取り揃えました。収められた作品を楽しむことはもちろん、どの書籍も寄稿された文章やクートラスのさまざまなエピソードが、どれもすてきな言葉で綴られていて、じっくり読みながら作品をより深く味わっていただけます。

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はじめて出会ってもどこか懐かしい感覚に包まれるクートラス作品。クートラスをご存知の方もそうでない方も、一人でも多くの方に出会っていただけますように。この機会に、ご来場をこころよりお待ちしております。

 

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また大山崎山荘美術館では『ロベール・クートラス「僕は小さな黄金の手を探す」展』も開催中です。作品の空気感にぴったりの冬枯れの山荘で出会うクートラス作品は、時間を忘れて過ごしたくなる心地よさでした。ぜひこちらも足をお運びください。

前期:~1月29日(日)/後期:1月31日(火)~3月21日(日)

詳細は大山崎山荘美術館ホームページにてご確認くださいませ。

http://www.asahibeer-oyamazaki.com/

***

 

ロベール・クートラス展「小部屋のクートラス」

開催期間:2017年1月24日(火)-30日(月)

開催時間:10:00-21:00(最終日は18:00まで)

開催場所:ギャラリーアンフェール

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フランスの画家 ロベール・クートラス(Robert Coutelas 1930-1985)の作品集『ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』(エクリ刊)の出版を記念し、ロベール・クートラス展「小部屋のクートラス」を開催いたします。

 

手札サイズのカルト、グァッシュ、油彩に加え、小さなオブジェ、写真家・平地勲氏が長年にわたり撮影してきたクートラスの作品群の写真を展示します。

※なお、作品の販売はいたしません。

 

 

(上田)

二月空 ミニフェア

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何かを強く訴えかけるのではなく、その場の空気や時間、目には見えないものを捉え提示した写真を用いた紙モノたち。フレームの中にある、何気ないモノクロムの景色に、ふと思考が立ち止まります。

現在アンフェールでは、フォトカードなどのオリジナルの商品制作を手掛ける二月空さんのミニフェアを開催しています。並ぶのは、昨秋より販売している2月始まりの2017年カレンダーに加えて、まるでフィルムのようにシーンが続き、蛇腹型を点線で切り取ると4枚のカードになるスリーブカードや、封筒の内側に風景写真が印刷されたレターセットなど。仕様はさまざまですがどの商品にも通底する心地よい静けさ。二月空さんならではのこの空気感を、会場にてご堪能いただけましたらと思います。

 

二月空 ミニフェア
1月24日 - 2月15日
恵文社一乗寺店 アンフェールフロアにて

 

(田川)

蕪木 チョコレート入荷のお知らせ

 

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ほんのひとかけらのチョコレートで、張り詰めていた気持ちがほろっとゆるんだり、
甘くて幸せな気持ちになったり、時にはついつい食べ過ぎてしまう事も。
チョコレートには、何か特別な力があるような気がしてなりません。普段、何気なく口にしている方も多いと思いますが、その原料であるカカオ豆が、一体どのようにしてチョコレートへと姿を変えるのか、知っている人は少ないのではないでしょうか。どのように実をつけ、どこで、どんな人々がそれを収穫するのでしょう。

収穫されたカカオ豆は、いくつもの製造工程を経てチョコレートになります。
その一つ一つが重要な工程だそうです。丁寧に選ばれた素材を存分に生かすよう、作り手の蕪木さんは手間を惜しみません。

 昨年11月、東京都台東区に開店した珈琲店「蕪木」(かぶき)は、珈琲豆の焙煎と販売、イベントへの出店などの活動を続けてきた蕪木祐介さんの珈琲と、チョコレートが味わえるお店です。蕪木さんは、製菓会社で商品開発をされていた経歴を持ち、現在はご自身のお店にて、原料となるカカオ豆の選定から仕入れ、焙煎、製造までの全てを手掛けています。普段口にするものとは一味も二味も違い、カカオ本来の、奥深く複雑な味わいが感じられます。

確かな知識と経験、そして鋭くもおおらかな感性に裏打ちされた商品。
是非この機会に味わってみてください。

 

「かもがや」、「果香」と名付けられた、味わいの異なる2種と、その製作の背景を一冊の本にまとめた蕪木さんの著書「チョコレートの手引き」は、恵文社生活館にて販売しております。

この機会に、チョコレートへの知識を深めてみてはいかがでしょうか。
また、バレンタインの贈り物にもお勧めです。

 

※在庫に限りがございますので、お求めの方はお早めのご来店をお待ちしております。

 

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                             かもがや ¥1204+税

                                   果香     ¥1250+税

 

(秀野)

 

今週の新入荷、1月第3週

毎週金曜日、その週に入荷した活きが良い本をご紹介します。

 

先日、向田邦子が編集者たちに振る舞ったという「常夜鍋」を家で試してみましたが、醤油とレモン絞り汁を混ぜただけのシンプルなつけダレがさっぱりとしていて、まさしく毎日食べても飽きない味でした。作中に登場する場所に足を運んだり、料理を再現したり、想像以上に愉しいものです。 

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向田邦子しかり、茨木のり子しかり。

その作品世界に限らず、生活のあらゆる面で、あるいはその生き様自体が凛として美しい作家の著書というのは、読んでいて背筋が正されるような、母親に諭されているような妙に心地が良い気分を思い出させてくれます。今回まず紹介する『茨木のり子の献立帖』は、茨木のり子が残した膨大な日記やスクラップブックから、レシピを書き出し、茨木家の食卓を再現した一冊です。全てがカラー写真で掲載されている肉筆のメモやレシピから、料理上手でマメな人だったのだと知り、またひとつ茨木さんを近くに感じています。今晩にも本書に載っている献立に挑戦してみます。 

 

 食べ物に関する書籍がつづきます。

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箱根、湯河原、小田原に囲まれた場所に位置する人口7700人の小さな港町、神奈川県真鶴町(まなづるまち)。この地で「泊まれる出版社」として活動する真鶴出版が、地元のひもの屋の協力のもと作成した冊子『やさしいひもの』。毎日当たり前のように口にしながら、家でひものをつくった経験がある方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。表紙と同じ緩やかなイラストでひものの作り方や、美味しい食べ方を教えてくれる小さな本です。

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同封された「ひもの引換券」なるチケットを真鶴にあるひもの屋に持っていくとひものがもらえるそうです。

 

そして、スタッフも心待ちにしていた一冊が本日入荷しました。 

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昨年夏、IZU PHOTO MUSEUMで開催されたFiona Tan「Ascent」の公式図録です。世界中から評価される映像作家・フィオナ・タン。2014年、中之島の国立国際美術館にて開催された「まなざしの詩学」を見に行った際は、一日中その世界に没頭したのを覚えています。今回の「Ascent」展は富士山をテーマにしたインスタレーション展で、これまでは自身のルーツを追う作品を制作してきた彼女の新たな一面が、本図録からも見てとることができるでしょう。

 

今回は以上の3冊です。

それでは、また来週お楽しみに。

 

《今回紹介した本》

『茨木のり子の献立帖』平凡社

http://www.keibunsha-books.com/shopdetail/000000020723/

『やさしいひもの』真鶴出版

http://www.keibunsha-books.com/shopdetail/000000020719/

『Fiona Tan | Ascent』※近日当店オンラインショップ取り扱い開始

発行:IZU PHOTO MUSEUM、DE PONT MUSEUM

発売:NOHARA

 

(鎌田)

『うつわを愛する』出版記念展

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「うつわ祥見」として、鎌倉を拠点に活動していらっしゃる祥見知生さんの新刊『うつわを愛する』(河出書房新社)出版記念展を、開催しています。
昨年、長いキャリアの中で初めての作品集を上梓された小野哲平さんのお湯呑み、書籍巻頭を飾る吉田直嗣さんの鉄釉や白磁の平皿など。25名の陶芸家をひとりずつ取り上げ、その魅力を丁寧に綴る本書と同じように、染付、紅毛手、色化粧、粉引と、技法の異なる8名の作家による器が並びます。会場で気になり手にした作品がありましたら、この本の掲載ページを辿ってみても良いでしょう。一歩踏み込んだ器の知識、食卓で使う場面をより身近に想像できることと思います。

安永正臣さんの作品は祥見知生さんの同じく新刊『うつわかたち』に掲載されていますし、帽子を反転させたような焦釉リム鉢の作り手、荒川真吾さんは、うつわ祥見が太鼓判を押す、若手作家さんなのだとか。

個性的な作品が一堂に会した展示会。この機会にぜひお立ち寄り頂けましたら幸いです。

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『うつわを愛する』出版記念展
1月17日〜2月3日
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー
企画:うつわ祥見

 

出展者:
荒川真吾 小野哲平 石田誠  尾形アツシ 
安永正臣 吉田崇昭 吉田直嗣 矢尾板克則

 

(田川)

高崎紗弥香『沈黙の海へ』発売記念写真展

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飛騨、木曽、赤石。

富山湾から駿河湾まで420km。

日本海から太平洋に渡って広くのびる国内最大級の山脈、日本アルプス。最高峰は標高3,139m。森林限界を超えた地帯では、背の高い木々が育たず、岩のごろついた異様な雰囲気が漂います。

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そこに息衝く崇高なまでに美しい自然に魅了された写真家、高崎紗弥香さん。初夏から晩秋にかけて御嶽山の山小屋で働きながら、1年の半分以上を山で暮らす彼女の写真集がアダチプレスから発刊されました。山中で出会うシーンを最小のシャッター数で捉えたという写真たち。彼女に撮影されるまで、誰の目にも触れることがなかったであろう美しい風景が広がります。澄み切った静寂に包まれる、自然写真、風景写真という枠を超越した大判の写真集です。

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書籍の発売前、高崎さんと、高崎さんが所属されている「GALLERYエクリュの森」の田村さんから直接書籍のご案内を頂きました。もう何年も前になりますが、私も数人の仲間とテントを背負って日本アルプスを縦断したことがあり、そのことを話すと、お二人とも嬉しそうに写真集のこと、山のことをお話くださったのが強く印象に残っています。

 

そのような縁もあって、現在書店壁面にて『沈黙の海へ』の発行を記念した小さな写真展を開催しています。古来より山には神が宿るといわれています。朝靄に包まれているような、まるで違う星に来たような。標高の高い山の頂上付近に漂う、何もない寂しさ、美しさが、高崎さんの写真には存分に写されています。神秘的で清々しい写真をこの機会に是非ご覧ください。展示は1月末まで。

 

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『沈黙の海へ』高崎紗弥香(アダチプレス)

www.keibunsha-books.com

■写真13点(カラー)
■B4変型判(279mm×406mm)、32ページ
■上製(カバーなし、帯+シュリンク)
■定価=本体5,000円(税別)
■デザイン=鈴木成一、岩田和美(鈴木成一デザイン室)
■用紙=株式会社竹尾
■印刷・製本=株式会社東京印書館(プリンティング・ディレクション=高柳昇)

 

(鎌田)