恵文社一乗寺店 スタッフブログ

恵文社一乗寺店の入荷商品やイベントスケジュール、その他の情報をスタッフが発信いたします。

SOU PROJECT+サチシルバージュエリー「かばんとアクセサリー」

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ギャラリーアンフェールでは現在、SOU PROJECT+サチシルバージュエリー「かばんとアクセサリー」を開催中です。

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帆布鞄や小物を制作されているSOU PROJECTさんは昨年も展示をしていただきました。友禅染の技法を応用して独特の風合いに仕上げられたオリジナル帆布がひときわ目を引きます。一つ一つ刷毛で手染めされているので同じものがふたつとありません。その大胆に美しく染め上げられた布でつくられる鞄や小物は、かわいらしいフォルム、ありそうでなかった形、使いやすさを追求されていて、今回も心をくすぐられます。

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筒状のこちらは新作のボディバック。懐かしいプールバックのようなデザインです。パラフィンキャンバスという蝋引きの帆布を使われていて、独特のシワ感、革のような不思議な素材感が楽しい。スポーティーな印象もあって男性にも人気です。細長いのでワインボトルを入れてお呼ばれに出かけるなんてのもよさそう! 

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昨年の展示でも好評だった「スマホポーチ」には新しくひと回り大きなサイズも登場。私も昨年から愛用していますが、軽くて、これを使えばボトムスのポケットは空っぽにできるので、とても身軽に散歩に繰り出せます。 

 

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サチシルバージュエリーさんはシルバーや真鍮でつくられるシンプルで美しいアクセサリー。女性らしい華奢なデザインのものや、コーディネートのアクセントになってくれそうな大ぶりのものなど、眺めるのも楽しいアクセサリーがずらりと並びました。

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コロンと愛らしい石が使われたものもあります。やわらかいシルバーの輝きは気もちまで穏やかにしてくれるよう。毎日愛用したいシンプルなものや、おめかし気分にぴったりのドレッシーなもの、ついうっとりと眺めてしまいます。

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繊細な線が軽やかに揺れる様子はとても美しくて可愛らしくて、付けていることに気づいた時にふふっとうれしくなれるすてきなアクセサリー。

 

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気負わず毎日使えて、使っているのがふとうれしくなるようなアイテムが揃いました。お二人は毎日在廊予定。とても気さくなお二人なので、おしゃべりも楽しみながらどうぞゆっくりお過ごしください。ご来場をこころよりお待ちしております。

 

SOU PROJECT+サチシルバージュエリー
「かばんとアクセサリー」
開催期間:2019年6月11日(火)-17日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール

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SOUPROJECT
(ジャンル:帆布・トートバック・ショルダーバック・がま口・小物)
「ワンランク上の日常に寄り添ったデザインを」をコンセプトに
京都で帆布鞄を制作しています。
京都に古くから伝わる友禅染の技法を応用して、染め~縫製まで
完全オリジナルなアイテムです。

サチシルバージュエリー
(ジャンル:シルバーアクセサリー)
京都市左京区にて、 シルバージュエリーを製作しています。
ナチュラルやシンプルな装いに寄り添う
シルバージュエリーを作っています。
銀線で作るピアスのシリーズは、ふんわりと軽く、
付けていることも忘れるほどですが、存在感があります
型をとらず、一点一点手作りしています。
世界にただ一つのジュエリーです。

 

(上田)

ジョリーメゾンのトッポンチーノ

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ジョリーメゾンのトッポンチーノを紹介するフェアを開催しています。
トッポンチーノとはマリア・モンテッソーリ(1870 – 1952 イタリア医学博士・幼児教育者)により考案された赤ちゃん用のおふとん。イタリア語で小さな枕を意味します。モンテッソーリ教育、の名前はご存知の方も多いことでしょう。モンテッソーリは、産まれたばかりの新生児は母親とできるだけ一緒にいなければならないと提唱しています。赤ちゃんにとって新しい世界は不安でいっぱいだからこそ、親の温かさを感じて過ごすことが大切です。お母さんが忙しいとき、お父さんやおばあさん、おじいさんにも、誰に抱っこされても安心感を与えれらるように生まれたのが、トッポンチーノです。
イタリア発祥のトッポンチーノを、ジョリーメゾンは厳選したオーガニック素材を使い、日本国内の縫製工場で生産しています。また、イラストレーター布川愛子さんデザインによる専用BOXとセットになっていますので、プレゼントとしてもおすすめです。

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会場でいちばん目をひく丸型のマットは、赤ちゃんのうつぶせ、腹ばい、お座りの練習をサポートする、タミータイムマット。中綿として100%コットンをたっぷり入れて、しっかりとした厚みがあるのでお昼寝のときに寝返りがしやすく、その上で遊ぶのにも最適です。加えて会場では、体にやさしい無漂白・無蛍光のピュアコットンでつくるベビーグッズやモンテッソーリ教育の関連書籍も販売しています。

 

ジョリーメゾンのトッポンチーノ
6月8日-6月21日
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

 

(田川)

「あそびうた絵本」中脇初枝さんお話会が開催されました

中脇初枝さん編集、ひろせべにさん絵による福音館書店「あそびうた絵本」。ただいま開催中の原画展について先日お知らせいたしましたが、展示初日である5月25日には、編者の中脇初枝さんが来店され、あそびうたに関する楽しい催しが行われました。今日はそのご報告です。

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今回の2冊『あそびうたするものよっといで』『あそびうたするものこのゆびとまれ』の面白さや楽しさに実際に触れ、この本の成立の背景や見どころをぜひ直接中脇さんにお伺いできたらという我々の思いから実現したこのイベント。「お話会」という柔らかな呼び名で、よく晴れた土曜日に、大人や子どももまじえて和やかにスタートしました。

中脇さん自身が子ども時代を過ごした高知県での経験や思い出話、そして子どもが生まれた時に「自分の中で眠っていた遊び歌がどんどん湧いてきた」という実体験からは、各地方の言葉や言い伝え、慣習や環境から生まれてくる表現に敬意を払い、子どもの世界に愛情を持つ中脇さんの創作の姿勢が伺われます。

遊び歌のなかには、江戸や明治から続いている発祥の古いものもあれば、昭和の頃、あるいはついこのあいだ生まれたものなど様々。そして世代によって少しずつ形を変えていく。だから「あなたとあなたの子どもでは、同じ地域に住んでいても違う歌を歌うかもしれない」という言葉が印象的でした。たとえば、おなじみの「どちらにしようかな…」という”えらびうた”一つとっても、時代と地域で違うことを、実際に会場に集まった人たちに歌ってもらって検証。みなさん笑いながら、その絶妙なズレを実感していました。ちなみに、「子どもはえらびうたで思った結果にならない時は、「なのなのな」など奇数の五文字を増やして自分の好きな方に持っていくんですよね」というお話も個人的に「なるほど~」と面白く思った次第です。

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 そして、それらの遊び歌を今度はみんなであそんじゃおうと、中脇さん自身が歌や手遊びを始めます。「おちゃらかおちゃらか」「ビームフラッシュ!」など茶目っ気たっぷりに演じれば、大人は子どもにかえり、子どもは大喜び。「それ知ってる!」など元気な声が飛び交います。動画でも歌を担当されている天さんの美しい声で、実際どんな風に歌うのかも聞かせてもらいました。

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合間には絵を担当したひろせべにさんとの短いトークも行われ、ファンには貴重な時間。ひろせさんの自由な想像力に感嘆したという中脇さんが「ベスト!」と選んだのは「ぼうずがじょうずにびょうぶにジョーズのえをかいた」(「よっといで」42ページ)でした。関西の人ならば皆知っている、地元の中華チェーン「ハマムラ」の顔のロゴが絵描き歌風になっていることをひろせさんから教わってびっくりした、という中脇さんのお話にも会場が沸きます。

最後は高知県のあそびうた「まないたのうえに かみそりいっぽんのせて ぎっちょんちょんのぎっちょんちょん」(「このゆびとまれ」29ページ)で会場全員が一緒になって体を使い遊びます。「まーないたーのうえにー…」の歌が終わるごとにそのとき当たった人が一人ずつ抜けていく、中脇さんが育った四万十地方に伝わるこのあそびを通じて、あらためてあそびうたの持つ独特のリズムと楽しさ、みなでその時の空間と心を共有する喜びのようなものを感じ取れた気がします。

実際に遊ばなくとも、あそびうたは本を開き言葉にして読むだけでも楽しいもの。まだご覧になっていない方は、二冊のうちぜひどちらか一冊でも手にとって頂き、あそびうたの豊かな世界に触れてみてください。原画展も7日まで開催しておりますので、ぜひお立ち寄りください。

 

あそびうた絵本 中脇初枝お話会
2019年5月25日開催 恵文社コテージにて

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ひろせべに「あそびうた絵本原画展」
5月25日 - 6月7日
恵文社一乗寺店ミニギャラリー

 

(能邨)

奥山淳志『庭とエスキース』オリジナルプリント展、トーク&スライドショーのご案内

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現在、書籍フロアでは写真家の奥山淳志さんによる『庭とエスキース』(みすず書房)の刊行を記念したオリジナルプリント展を開催中です。

 

関西出身の著者である奥山淳志さんは、1998年より岩手県雫石に移住し、東北の文化や風土、そこに生きる人々にフォーカスを当て、書籍や雑誌を通じて紹介してきた写真家。本書は、彼が東北に移り住んで以来、14年間にわたり日々通い、交流を続けた北海道の新十津川に暮らしたひとりの老人「弁造さん」の記憶を40点の写真と24篇の物語でたどった写文集です。

 

 

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北海道の開拓時代の最後を経験し、その後の経済的な大きな発展にともなう時代の変化への違和感から、一家族が永続的に暮らしていける自給自足の生活を自ら実験的に作り出していくことを選んだ「弁造さん」。

北の大地の気候、風土との対話を繰りかえしながら自然とともに作り上げてきた庭、生活に必需なものだけを集めた小さな丸太小屋、そこに唯一置かれているイーゼルをはじめとする絵の道具。陽気で(可愛げすら感じさせる)ユーモアにあふれた人柄、ありありと語られる開拓時代の不思議なエピソード、作物を植え育て生きる実践的な日々から生まれた生活の思想、作品として完成することのないエスキース(下絵)の重なりと、繰り返し描かれる母娘のモチーフ…。

長い時間を生きてきたひとりの人間のなかにあるさまざまな時間と表情、その側面を、直接の会話はもとより何気ない行為やその表れ、写真家らしい解像度の臨場感を感じさせる美しい風景描写などを折り重ねながらひとつひとつ追想するように綴る著者の誠実な語り口は、「他者」と出会うこと、誰かを想うことの豊かさとその奥行きを、読む者の心身に浸透させるようにじっくりと伝えます。

 

 

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書籍フロア壁面では、弁造さんと過ごした日々に撮影された写真から奥山さん自身が選んだ3点の作品(本書未掲載含む)のオリジナルプリントを展示中です。弁造さんの庭の象徴ともいえる青々と茂るメープルの木、繰り返し描かれたエスキース、そして雪原でにこやかに笑う弁造さんの肖像。

 

また、奥山さん自身が編み、2018年の写真協会賞新人賞を得ることにもなった写真集『弁造 Benzo』(http://benzo-book.atsushi-okuyama.com/benzo/)もあわせて展示しています。こちらは限定数発行の私家版をお借りしているため非売品となりますが、『庭とエスキース』に表現されたもの、弁造さんの庭とその人となりを捉えた写真家の視線をより直接的に感じていただける作品集です。ご来店の際はぜひ手に取ってご覧ください。

 

 

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 今週6月8日には、当店イベントスペース COTTAGE にて、奥山淳志さんをお招きしてのトーク&スライドショーも開催いたします。時系列に語られることなく、小さなエピソードから波紋のように広がる交流、人となり、場所の記憶。被写体と撮影者との距離、人と自然との距離、過去と現在との距離、わたしと他者とのあいだにある距離。そのままならなさや分からなさに向き合いながら、生きることや老いることの実感を14年の歳月のなかで受け取った奥山さんが語る「弁造さん」の物語。

現在は岩手在住の奥山さんですが、大阪生まれで奈良育ち、京都で学生時代を過ごされた関西にも所縁の深い方です。京都で話される貴重な機会ですので、ぜひ奮ってご参加ください。

 

 

 

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奥山淳志『庭とエスキース』 (みすず書房)

刊行記念オリジナルプリント展

2019年5月22日-6月11日

恵文社一乗寺店 書籍フロアにて

 

 

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■『庭とエスキース』奥山淳志(みすず書房)

 

 

(テキスト:涌上 / 撮影:韓) 




 

2019年5月書店売上ランキング

5月に観た映画のなかで良かったのは、ガス・ヴァン・サント監督の「ドント・ウォーリー」。アルコール中毒、交通事故に遭い、車椅子での生活をすることとなった実在する風刺漫画家を演じたのはホアキン・フェニックス。唯一の救いのように、登場するミューズを演じるは、ルーニー・マーラ。スパイク・ジョーンズ「her」でも印象的なタッグでしたが、今回の映画も素晴らしかった。先日のふたりの婚約報道が本当だったら良いなと思っています。もう一度観たいと思っていたら今月末、出町座さんでかかるそうです。余談が長くなりましたが、それでは2019年5月の書店売上ランキングをご紹介します。

 

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1位『ねえさんといもうと』シャーロット・ゾロトウ 酒井駒子(あすなろ書房)

 

2位『数学の贈り物』森田真生(ミシマ社)

 

3位『あそびうたするものこのゆびとまれ』中脇初枝ひろせべに(福音館書店)

 

4位『石の辞典』矢作ちはる内田有美(雷鳥社)

 

5位『あそびうたするものよっといで』中脇初枝ひろせべに(福音館書店)

 

6位『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』斉藤倫高野文子(福音館書店)

 

7位『日本発酵紀行』小倉ヒラク(D&DEPARTMENT PROJECT)

 

8位『天文学と印刷新たな世界像を求めて展覧会図録』(凸版印刷株式会社印刷博物館)

 

9位『漱石全集を買った日』山本善行 清水裕也(夏葉社)

 

10位『ムービーマヨネーズ第2号』Gucchi's Free School

 

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第1位は、シャーロット・ゾロトウの作品を、酒井駒子さんが再訳し絵を描いた一冊『ねえさんといもうと』。酒井さんの絵をあしらった当店オリジナルのブックカバーを特典としてお付けしていましたが、早々に完売しました。もちろん、絵本本体は引き続き取り扱っております。

www.keibunsha-books.com

 

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第2位は、独立研究者・森田真生さんのエッセイ『数学の贈り物』です。5月26日、森田さんのトークライブ「数学ブックトーク」が開催されました。遡ると、5年ほど前から当店のイベントスペースで三ヶ月に一度の定期開催いただいているイベントです。今回のトークテーマは「ことば」や「偶然性」でした。九鬼周造の『偶然性の問題』を噛み砕き、『インティマシーあるいはインテグリティー』から親密さ、関係性について語る。この通り、数学というタイトルがついていますが、森田さんが扱う分野は様々です。哲学の古典や人文科学の本などを読んでみたいという方は一度参加されてみてはいかがでしょうか。次回は8月、真夏の開催を予定しています。当店発行の冊子『ブックリスト:『数学の贈り物』と80冊森田真生インタビュー「読書」について』の残部は10部ほどとなりました。こちらもあわせてぜひ。

www.keibunsha-books.com

 

 

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第3位、第5位は同時発売の絵本『あそびうたするものよっといで』と『あそびうたするものこのゆびとまれ』です。文、中脇初枝。絵、ひろせべに。5月25日には、イベントスペースにて中脇さんのお話会が開かれ、会場を覗いてみると子どもたちが楽しそうな声が聴こえてきました。生活館ミニギャラリーにて6月7日までひろせさんの原画展も開催しています。

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4位は、ライターの矢作ちはるさんが文を書き、内田有美さんが絵を描いた『石の辞典』です。あらためて、内田さんが描かれる石の絵の美しさに驚きました。写実的でありながら、絵でしか表現できない暖かさ、デフォルメの加減が見事です。ご自身も蒐集家だという矢作さんのテキストもイラストや本の佇まいにぴったりです。

www.keibunsha-books.com

 

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第6位は、『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』。やたらと長い題名や、高野文子さんの挿絵をきっかけに手に取られる方も多いと思いますが、身の回りに子どもがいる方にはぜひ読んでいただきたい。詩人の斉藤倫さんが、小説の形をとりながらまど・みちお、萩原朔太郎らの詩を紹介する一冊です。先日、小学4年生の姪と一緒に交互にこの本を音読しましたが、詩を読み上げてはケラケラと笑っていました。

www.keibunsha-books.com

 

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第7位は、発行デザイナー・小倉ヒラクさんの『日本発酵紀行』です。ヒラクさんといえばデビュー作『発酵文化人類学』(木楽舎)でご存知の方も多いはずです。待望の二冊目の本。8ヶ月に及ぶ、47都道府県の発酵文化をリサーチするフィールドワークの旅を記録した一冊です。発酵食とは、その地の食文化や気候、あらゆる暮らしが色濃く反映されるものです。ローカリティ、人類学、そして発酵。様々な角度から読む人によって顔を変える、射程の広い本です。発行は、『d design travel』のD&DEPARTMENT PROJECTから。

www.keibunsha-books.com

 

トークイベントのご案内。7月19日(金)19時開演。小倉ヒラクさんのトークイベント「『日本発酵紀行』刊行記念“発酵”で日本の歴史と暮らしをわかる!8か月間の発酵の現場をめぐる旅で見えたもの。」発売以来『発酵文化人類学』が当店ではロングセラー。待望のヒラクさん本人のトークイベントです。平日ですが、満員で当日を迎えたいと思っています。ぜひご参加ください。詳細、ご予約はこちらのイベントページから。

www.cottage-keibunsha.com

 

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第8位は、東京の印刷博物館開催された展示の図録『天文学と印刷新たな世界像を求めて』。天動説から始まり、万有引力へ。天文学の歴史と知の蓄積、発展を「印刷」というキーワード、技術、テクノロジーから追ったスケールの大きな一冊です。こちら、一時品薄でしたが追加の在庫が届きました。

www.keibunsha-books.com

 

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第9位は、夏葉社新刊『漱石全集を買った日』。古書店主とお客さんによる古本入門。善行堂の山本さんが、お客さんである「ゆずぽん」こと清水さんに本を読むようになった経緯や普段の読書について聞いた一冊です。関西圏の古本イベントなどに必ずといって良いほど顔を出すゆずぽんさん。恵文社にも時々立ち寄ってくださいます。昔から知っている方だったので、夏葉社から本が出ると聞いた時は驚きました。古書ファンとしてはまだ若い年齢のゆずぽんさんですが、その目利きもさることながら、古書店やイベントなど、その古書を買った場所や体験すら楽しまれていて、本当の本好きってこういう人のことだと会う度に思わせてくれるお客さんです。読みやすく、面白い一冊なので、古本に詳しくない方にもおすすめできます。

www.keibunsha-books.com

 

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第10位は、日本未公開の映画を紹介・上映するGucchi’s Free School 制作のリトルプレス『ムービーマヨネーズ第2号』。5月17日には、主催の降矢さん、みなみ会館の吉田さん、尾関さんによるトークイベントを開催しました。みなみ会館のリニューアルオープンが待ち遠しい。

www.keibunsha-books.com

 

長くなりましたが、今回は以上です。また来月もお楽しみに。

 

(鎌田)

藤岡拓太郎『たぷの里』(ナナロク社)サイン本予約のご案内

7月21日、藤岡拓太郎さんによる絵本『たぷの里』がナナロク社より刊行されます。

 

併せて藤岡さんご本人の考案企画、全国13店舗でおこなわれる「サイン本の予約注文」を当店でも実施することとなりました。(詳しくは 絵本「たぷの里」特設ページ - 藤岡拓太郎の公式サイト より)

 

作者・藤岡拓太郎さんは2017年に同社より刊行された1ページギャグ漫画集『藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない』でも注目を集めたギャグ漫画家。

 

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『藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない』(ナナロク社)

 

一度見ると忘れられない独特の画風に、読後は何かを成し遂げたあとのような、不思議な達成感と清々しさすら感じる奇妙な作品世界が魅力の漫画家です。登場人物たちの珍妙な言動に惑わされつつ、彼らの至って真剣なまなざし、迷いのなさには毎度笑わずにはいられません。

 

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『たぷの里』(ナナロク社)

 

今回新しく出版される絵本には「たぷの里」という相撲取りのキャラクターが登場。少年の頭に自身の大きなお腹を乗せて仁王立ちを決めるたぷの里、このおかしな状況をものともしない、非常に凛々しい立ち姿です。

0歳から100歳までが対象年齢だと謳う本作。子どもから大人まで、誰もが声をあげて笑える賑やかな絵本になりそうです。

 

実際に書店へと足を運び、絵本を手に取ってほしいという作者の思いから生まれた今回のサイン本企画。当店の絵本棚には、藤岡さんが特設サイトでもご紹介されていた素敵な作家陣のタイトルも並んでいます。ぜひこの機会にサイン本を手に入れて、店頭であたらしい絵本を探してみてはいかがでしょうか。

下記よりご予約をお待ちしております。

 

 

◎ご予約方法

 

・店頭予約、または電話予約(075-711-5919)

お名前と電話番号をお伝えください。

 

・web予約

こちらの申し込みフォームよりイベント名を「『たぷの里』サイン本予約」とし、「予約人数」を本の冊数としてご記入ください。お申し込みいただいたメールアドレス宛てに当店からお送りするメールをもってご予約完了となります。3日以内にメールの返信がない場合は、お手数ですがもう一度同一内容でお申し込みをお願いいたします。

 

・予約期限 6月30日(日)まで

 

・ご購入は発売日7月21日(日)以降に店頭へお越しください。

 

※ご注意※

店頭でのお支払い・お受け取りに限ります。通信販売、配送手配はおこないませんのでご了承ください。ご予約後のキャンセルはお断りしております

 

(野村)

杉山恒太郎『僕と広告』ブックフェア

 

 

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「ピッカピカの一年生」(小学館)、「セブンイレブンいい気分」(セブン-イレブン)をはじめとした、人々の記憶に残る名作広告を世に送り出してきた杉山恒太郎。

彼自身によることばと、18人の才人によって語られた彼の人物像、様々な角度から描かれた人間味のあるエピソードを収録した『僕と広告』ブックフェアを書籍フロアにて開催しています。

 

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2018年12月に発刊された本書は、杉山のACC(全日本シーエム放送連盟)の「クリエイター殿堂」入りを記念し書籍化されたもの。元電通の執行役員で、現在は広告制作会社ライフパブリシティの代表取締役でもある杉山を取材したロングインタビューを収録。

また、コムデギャルソンの川久保玲をはじめ、俳優の小林克也、伊武雅刀、音楽家の大貫妙子、漫画家の井上雄彦、グラフィックデザイナーの葛西薫、中村勇吾、ワタリウムの和多利恵津子など、彼と関係性を持つ人々によるインタビューをまとめたなんともバラエティ豊かな一冊となっています。

 

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杉山のインタビューを読み進めていくと、ある時期まで広告クリエイターという仕事に違和感を感じていたことを漏らす箇所があるかと思えば、広告をつくることの奥深さや面白さについて語られている箇所も。

コメントを寄せたある人は、杉山が自身を無趣味と言っていたと話し、またある人は興味を惹かれれば脇目も振らずどこへでも遊びに行く、とても好奇心にあふれた人だと話します。杉山恒太郎という人物の変化自在な姿が垣間見えながら、いかに杉山が仕事、人生を謳歌してきたか。またどのようにして周りの人々を巻き込み、日本の広告業界の「本流」を歩いてきたかがこの一冊を通した浮かび上がってくる、そんな幸福感につつまれた一冊です。

 

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フェア期間中、これまでに杉山と関わりを持った才人たちによる書籍や、広告と言葉にまつわる書籍、また杉山自身が強い影響を受けたという書籍もならべて紹介しています。こちらも併せてお楽しみください。

 

「広告嫌いの広告好き」を公言する杉山を巡るオーラルバイオグラフィと呼べる構成であり、日本のクリエイティブシーンの躍動的な証言集でもある『僕と広告』。

ひとつの広告クリエイターの豊かな創作の背景と、多面的な人脈をこれだけ描いた本はそう多くはありません。

 

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文庫本サイズでありながら、ハードカバーである装丁デザインも美しい仕上がりとなっている一冊を、ぜひご堪能ください。

 

 

www.keibunsha-books.com

 

 

杉山恒太郎『僕と広告』ブックフェア

2019年5月28日-6月30日まで

 

(韓)