恵文社一乗寺店 スタッフブログ

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森田真生『数学の贈り物』(ミシマ社)、イベントのご案内

本のご紹介とイベントのご案内です。

 

独立研究者、森田真生。

デビュー作『数学する身体』(新潮社)、岡潔の文章を編んだ『数学する人生』(新潮社)、絵本の文章を手がけた『アリになった数学者』(福音館書店)。いずれの著作にも「数学」という字が入っていますが、森田さんは数学者ではなく、独立研究者です。

 

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その思考の源泉に数学が敷かれていることは間違いありませんが、それは森田真生という人物を見たひとつの側面でしかありません。例えば、当店にて定期開催されているトークライブ「数学ブックトーク」で森田さんが紹介する本をみると、そのジャンルは多岐にわたります。哲学や宗教、国家や言語、経済や歴史、人口知能やプログラムなど。数学の本の割合が少ない回もあります。

 

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博覧強記。ジャンルを越境するやわらかな知性はどう育まれてきたか。前置きが長くなりましたが、森田さん初の随筆集『数学の贈り物』が間もなく刊行されます。ミシマ社のウェブマガジン「ミシマガジン」上の5年にわたる連載を束ねた一冊。連載をまとめたといっても、多分に加筆と修正を加えた真新しい本です。5年という歳月、その時間の奥行きを生かしつつ編まれた19篇は永遠と無常の美しさを思わせます。始まりと終わりを表現したデザインは、寄藤文平さんによる装丁です。

 

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幾つもの断面がある本ですが、例えばお子さんがいる方の感想も聞いてみたい。森田さんはこの5年の間に父親になりました。子どもの誕生と成長。道端に転がる石を誰かの忘れ物だといって拾い上げる。お風呂の磨りガラス越しに手を合わせる遊びを楽しむ。息子が与えてくれる些細な気づきに端を発して、古今東西の思考や哲学に切り込む。新しく父親の目線があたたかく、ともに成長する森田さんの姿が垣間見えます。

 

『数学の贈り物』で書かれた文章たちは、お子さんのことをはじめ、目の前の気づきが原動力となっています。それは私たちが普段から経験してきたような素朴な発見で、だからこそ読者の射程が広い一冊になるはずです。一般発売は3/20予定。

 

ひとりでも多くの方に届けばと、イベントを森田さん、ミシマ社さんと企画しました。一般発売に先駆けて、森田真生さんの公開インタビューを当店にて開催いたします。関西では『数学の贈り物』をいち早く手にとっていただける唯一のイベントです。

 

聞き手は、ミシマ社代表の三島邦弘さん。

5年に渡り「数学ブックトーク」などのイベントをバックアップし、編集者として傍でその文章に絶えず触れてきた三島さんの目線から、『数学の贈り物』の魅力を存分に探っていただきます。発刊のタイミングで著者の声が聞ける貴重な機会となっております。

 

また参加費の2000円には新刊『数学の贈り物』一冊の代金をあらかじめ含んでおります。もちろん、加えてのご購入もさせていただきますので、ご家族やご友人、同僚の方々に「贈り物」として、贈られてみてはいかがでしょうか。平日の夜の開催ですが、一人でも多くの方にご参加いただけるよう願っております。どうぞ気軽にお申込み、お問い合わせください。

  

【日時】

3月13日(水)開演19:00 / 開場18:30 (一時間程度)

 

【参加費】

2,000円 ※新刊『数学の贈り物』一冊を含みます。

ご予約、詳細は以下よりご確認いただけます。

www.cottage-keibunsha.com

 

(鎌田)