文芸誌(unintended.) LIARS発行人・きくちゆみこさんと、『わたしが生きている世界はまるで球体です。』『上下巻』など数々の写真集を生み出してきた成重松樹さん。共に、近しい人々や身の回りの景色に目を向け、拾い上げている表現者であり、パートナーでもあるお二人の展示会を開催しています。
壁面には成重さんの写真と、きくちさんの言葉、引用された一節が、コラージュのように貼りめぐらされています。一見、無造作に配されたようですが、点と点を結ぶ相関図のように作者の意図する、あるべき場所に位置したもの。その隠れた意味の解読は、会場に来ていただいた方に委ねられています。
それは壁面にとどまらず、ギャラリー全体にも言えること。卓上の作品集、そこに収録された言葉と写真、窓辺にある小さなキャンバス、オブジェ。空間内に散りばめられた欠片の結びつきを、自分なりに解釈し編み直してみてください。他者を写すと同時に、自分の視線も曝け出す写真の面白さ。イメージを如何様にも変化させることのできる言葉の自由さ。表現することの豊かさに触れる、展示会です。
きくちゆみこ 成重松樹
ここに いられて わたしは うれしい
11月11日〜11月24日
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー
(田川)