恵文社一乗寺店 スタッフブログ

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2017年7月書店売上ランキング

7月は写真家のドキュメンタリー映画を二本見ました。「パリが愛した写真家/ロベール・ドアノー<永遠の3秒>」「Don't Blink ロバート・フランクの写した時代」。まだ学生の頃、祇園の京都現代美術館〈何必館〉で両者の写真展を見て以来、心の中でずっとこの時代の写真家たちに憧れてきました。こうしてドキュメンタリーとして彼らの人生や作品を振り返ることができたのは、とても勉強になりましたし、同じ写真家や画家、映画監督、同時代に集った芸術家たちがお互いに刺激を受けながら自身の創作活動に傾倒していく様が清々しく、どこか羨ましく感じます。

 

それでは、2017年7月の書店売上ランキングをお知らせします。

 

1位『世界をきちんとあじわうための本』ホモ・サピエンスの道具研究会(ELVISS PRESS)

上半期当店のベストセラー。本書から派生する本を選んだブックフェアを店頭にて開催中

 

2位『おさまる家』井田千秋

家の中のお気に入りの場所を描いたイラスト集、待望の重版分

 

3位『WYP Vol.1 DENMARK 僕らは生きる場所を選べる。』THE WORLD YOUTH PRODUCTS

デンマークに暮らす人々へのインタビューを通じて、これからの生き方のヒントを探る

 

4位『タラ・ブックス』矢萩多聞 松岡宏大 野瀬奈津子(玄光社)

工芸品のように美しい絵本を作り出す南インドの小さな出版社を紹介した入魂の一冊

 

5位『「いる」じゃん』作・工藤直子 絵・松本大洋(スイッチ・パブリッシング)

母、子の共演によって生まれた、どこか懐かしく清々しい絵本

 

6位『CDT 02 鳥獣虫魚』TDC(BOOK PEAK)

日本を代表するグラフィックデザイナーが一堂に会する紙とインキの同人誌

 

7位『切手小論』森田晃平

美術、文学、映画、あらゆる場に登場する切手にフォーカスをあてたリトルプレス

 

8位『手繪京都日和』Fanyu(林凡瑜)

台湾のイラストレーターが見つめる京都の街

 

9位『ぼくはパン Je suis le pain』金子敦 金子泰子(Blood Tube Inc.)

「ウズベキスタン日記」「イラン・ペルシア日記」のデザインユニット初の絵本

 

10位『つるとはな 5号』(つるとはな)

90歳をこえるパワフルな人生の先輩が登場する雑誌、第5弾!

 

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第1位は、先月もご紹介した『世界をきちんとあじわうための本』。ペンで何かを書く、靴を履く、呼吸をする。日常の何気ない行為のなかに存在する世界をあじわうためのヒントをあたえてくれる一冊。書店店頭では『「世界をきちんとあじわう」ためのブックフェア』と銘打った選書フェアも引き続き開催中です。フェアの様子と、本の詳しい説明を数日前に別の記事で紹介しています。よろしければこちらもあわせて、御覧ください。

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keibunshabooks.hatenablog.com

 

また、8月20日(日)にはフェアに合わせたトークイベントを開催します。ゲストとして、著者のホモ・サピエンスの道具研究会から山崎剛さん、木田歩さん、坂井信三さん、そして『介護するからだ』(医学書院)、『ミッキ-はなぜ口笛を吹くのか』(新潮社)など、身体動作や声に関わる興味深い著作を多数手がける細馬宏通さんをお招きしたスペシャルな内容です。まだまだご参加承っておりますので、ぜひふるってご予約ください。詳細、ご予約はこちらから。

http://www.cottage-keibunsha.com/events/20170820/

 

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第4位は、8月3日から8月5日までの3日間限定で、当店イベントスペースCOTTAGEにて関連イベントを開催している『タラ・ブックス』。副題に「インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる」とあるように、南インドの小さな工房で、製紙、印刷、製本、すべて手作業によって工芸品のように美しい絵本を制作する世界でも他に類を見ない出版社「Tarabooks」を現地への取材を中心に紹介した一冊です。

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今回のイベントでは、インドから取り寄せた絵本と、大きな額に入ったアートプリント、雑貨などなど、さながら出張版タラ・ブックスといって良いほど、極彩色の賑やかな展示となっております。特に今回揃った絵本は、まだ国内で馴染みのない作家の作品や、新作も多数ご用意しております。明日土曜日までの開催となります。お近くの方は涼みがてらお立ち寄りください。

http://tarabooks.jp/event20170803/

 

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第5位は、工藤直子、松本大洋親子の共作による絵本『「いる」じゃん』。主人公の男の子は、太陽や夜空に輝く星々、虫や木々にまで「オッス!」と挨拶します。生きている限り、人間はどうあっても一人ではないという力強いメッセージが込められた心地の良い作品です。扇風機に向かって叫ぶ場面など、実は夏にぴったりの一冊。プレゼントにも喜ばれるかもしれません。

また、発行元のスイッチ・パブリッシングの特設サイトでは随時親子の対談記事がアップロードされています。親子ならでは肩の力が抜けた会話。こちらからご覧いただけます。

https://www.iru-jan.com

 

それでは、今回はここまで。

何やらリンクだらけになってしまいました。

また来月もお楽しみに。

 

(鎌田)