店頭フェアのご案内。
『世界をきちんとあじわうための本』ホモ・サピエンスの道具研究会 ELVISS PRESS
呼吸をする。靴を履く。鞄を持つ。電車を待つ。
何気ない日常の動作の中に隠された、あるいは普段気づきもしない、世界をあじわうためのヒント。当たり前にそこにあるものの豊かさに気づいて暮らしていけるなら、そんな幸福はありません。例えば、大人になってから紙をはみ出して、机にまでペンで何かを描こうとはしない。あんなに広かった小学校のグラウンドが狭く見えるような、どこか寂しく、懐かしい感覚。私たちが大人になって忘れてしまった、対峙するもの全てが輝いて見える、あの感覚を取り戻すきっかけとなる一冊です。当店でも多くの方の手に取っていただいており、2017年当店で一番よく売れている本です。
そういった経緯もあり、今回の「世界ときちんとあじわうための」ブックフェアを考えました。
上質な本というのは、どのジャンルに落とし込んでも面白く、その本の専門以外にも波及するような求心力があります。『世界をきちんとあじわうための本』もまさしくそんな一冊で、一度ページを開くと、「あぁ、あんな本もあったなぁ」と、これまでに読んだ数々の本とリンクするような感覚を与えてくれます。今回のフェアでは、発行元のELVISS PRESSさんにご協力いただいて、『世界をきちんとあじわうための本』と併せて読んでいただきたい副読書を、「世界の手触り」「日常の観察」「わたしとあなたのあいだ」という3つのテーマに分けて選書しました。
世界の手触り:知覚、アフォーダンス、哲学
日常の観察:既知のはずの世界、日常をまなざす
わたしとあなたのあいだ:コミュニケーション、「私」とそうでないものの境界線、自己と他者
楽しみながら選びました。選んだ本には、200字程度のコメントを付けています。なぜこの本がこのテーマに区分されているのか、想像しながら本の内容と比較しつつ、今回のブックフェアをお楽しみいただければ幸いです。選書のリストと、コメントは冊子にして店頭でお配りしております。また、『世界をきちんとあじわうための本』を引き継ぐ形で刊行が始まった、シリーズ「世界をきちんとあじわう」より、『箱にしまうこと 箱をしまうこと』『生活と研究』もフェアに際して入荷しています。
8月20日(日)には、『「世界をきちんとあじわう」ためのトークイベント』と題したイベントショーを開催します。ゲストは、著者のホモ・サピエンスの道具研究会から山崎剛さん、木田歩さん、坂井信三さん。そして、細馬宏通さんをお招きして、毎日のなかで私たちが「からだ」と「道具」をどのように用いているのか、そして一体“なにを”しているのかを探っていきます。細馬さんといえば、今回のフェアでまっさきに選ばれた『介護するからだ』(医学書院)や、「今日の『あまちゃん』から」(河出書房新社)、「ミッキーはなぜ口笛を吹くのか」(新潮社)などの著者であり、同時にバンド「かえる目」で作詞・作曲とボーカルをこなす滋賀県立大学の教授です。
この珍しい組み合わせでのトークは、これから先、貴重な内容になること間違い無し!ぜひ奮ってご参加下さい。ご予約詳細は下記からご覧いただけます。
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「世界をきちんとあじわう」ためのブックフェア
会期:2017年8月31日まで 場所:恵文社書店一角にて
「世界をきちんとあじわう」ためのトークイベント
日時:2017年8月20日(日)13:30開場 / 14:00開演
料金:1000yen +1drink order
出演:細馬宏通 ホモ・サピエンスの道具研究会(山崎剛、木田歩、坂井信三)
ご予約:http://www.cottage-keibunsha.com/events/20170820/まで
(鎌田)