「江戸時代の人が絵草紙屋の店先で、気に入った絵を選んで買ったように、浮世絵を1枚の絵として楽しむ」というコンセプトのもと、ひとつのテーマに60枚の絵を選び、日・英の解説を付した『めでる国芳ブック』シリーズ。「ねこ」「おどろかす」に続き、新しく「どうぶつ」編が刊行されました。
猫絵師とも言われる国芳ですが、猫以外にも様々な動物を戯画化し、想像力溢れた作品を遺しています。上は吉原の遊郭に集う人々を雀の姿で表した「里すずめねぐらの仮宿」。
金魚や水の生き物に江戸庶民の暮らしを演じさせた「金魚つくし」のシリーズでは、経木で出来た筏を漕いでいたり、作品のタイトルが浮草をデザインした枠の中に書かれていたりと細部まで趣向を凝らしているのがわかります。その他、宮本武蔵が巨鯨と戦う一場面や、「仮名手本忠臣蔵」を蛙が演じているものなど、多数収録。府中市美術館の学芸員である金子信久氏による解説も掲載し、大変見ごたえのある内容です。
本書の出版を記念して、アンフェールフロアではパネルフェアを開催。書籍『めでる国芳ブック』シリーズに加えて、京都の繊維会社、山本仁商店さんによる、国芳の浮世絵手ぬぐいや、木彫作家・北浦和也さんによる国芳「ねことふぐ」をモチーフにしたブローチなどを揃えています。月末まで開催していますので、ご来店の際はぜひお立ち寄りくださいませ。
めでる国芳ブック 出版フェア
4月16日(日) - 4月30日(日)
アンフェールフロア
(田川)