気がつけば、2月。
2月といえば、明日から左京区最大のお祭り吉田神社節分祭がはじまります。今年も正月に店頭に出していたお飾りを吉田神社に納める大役をまかされました。季節を感じながら働けるというのは幸せなものです。私が生れ育った土地では節分にどんど焼きという大きな火を焚く風習がいまだ残っています。調べればどんど焼きは通常小正月(1月15日)に開催されるものだそうですが、なぜ地元では節分に行われているのか謎のままです。
さて、2017年1月のランキングはこのようになりました。
1位『野菜たっぷりすり鉢料理』宮本しばに アノニマ・スタジオ
2位『一汁一菜でよいという提案 』土井善晴 グラフィック社
3位『世界をきちんとあじわうための本』ホモ・サピエンスの道具研究会 ELVIS PRESS
4位『珈琲のはなし。』高橋マキ
5位『京都の中華』姜尚美 幻冬舎
6位『という、はなし』吉田篤弘 フジモトマサル 筑摩書房
7位『茨木のり子の献立帖』平凡社
8位『冬の本』夏葉社
9位『千明初美作品集 ちひろのお城』千明初美 復刊ドットコム
10位『うれしいセーター』三國万里子 ほぼ日
1位は、すり鉢を使った料理・食卓を提案する新しいタイプのレシピブック『野菜たっぷりすり鉢料理』です。1月中、著者の宮本しばにさんが運営するキッチンツールサイト「studio482+」でも紹介されている山只華陶苑のすり鉢フェアを開催しました。絵付きのものや、素朴な色合いのすり鉢がずらり。実際に手に取ると食卓に並べたときのイメージが次々に膨みます。21日には実際にしばにさんをお招きしたワークショップも。私もおにぎりをご馳走になりましたが、炒った胡麻をパッとかけるだけのシンプルな味付けとは思えない美味しさでした。
7位の『茨木のり子の献立帖』は、茨木のり子が残した膨大な日記やスクラップブックから、レシピを書き出し、茨木家の食卓を再現した一冊です。本書をはじめ、茨木さんの著作はそのどれもが凛とした佇まいをしています。著作を集めた特集を店頭にて開催中です。普段、詩歌の棚に一冊並んでいる姿も魅力的ですが、集まって並んだ様子も壮観です。
8位は、昨年末待望の重版がかかった『冬の本』。吉田篤弘さんの「すべての本は冬のためにある。」という言葉に触発されて、今冬、至るところでこの本を紹介してきましたが、冬もあと少しということで、最後にもう一度だけ。84人の愛書家が冬にまつわる本を思いおもいにめぐるこちらのエッセイ集、発売から4年が経ちましたが、改めてトップ10にランクインです。1月は思い返せば、雪がたくさん降りました。「雪が降れば本屋が儲かる」。(実際、そんなことはない。)そんなくだらないことを考えながら、雪の日に『冬の本』を手に取られる方を見かけては、心の内で喜んでいました。
それでは、今回はこのあたりで。
また来月、お楽しみに。
(鎌田)