7月に発売された、スケラッコ先生のデビュー本『盆の国』。
webマガジントーチで連載されていた漫画が1冊の本になりました。
京都の方なら、この柔らかい線で描かれた独特のイラストを目にされた事もあるのではないでしょうか。
KBS京都で「おうちごはん物語」のアニメーションを担当され、イラストや漫画だけでなく刺繍ブローチの製作など、多岐に活動されています。
この『盆の国』は、お盆に帰ってくるご先祖様が見える女の子、秋が主人公の物語。1年に1度、会えなくなった人に会えるお盆の日。ずっとお盆が続けばいいのに… という秋の妄想が現実になっちゃって!?エンドレスに送り日の前日を繰り返す秋の前に謎の青年夏夫が現れ、秋は「おしょらいさん」の世界に巻き込まれていきます。
柔らかい京言葉で描かれる物語や、シンプルな絵柄ながら確かなデッサン力の描線が、リアルな夏の空気を感じさせてくれます。
作者の人を見る優しい目線や、どこかノスタルジック感じる不思議な世界観も魅力的。お盆にこそ読みたい1冊です。
作者の漫画デビュー作「大きい犬」も一度読まれてみてはいかがでしょうか。
今後のご活躍が楽しみな作家さんです。
(森)