恵文社一乗寺店 スタッフブログ

恵文社一乗寺店の入荷商品やイベントスケジュール、その他の情報をスタッフが発信いたします。

『綿の国星』

先日ホホホ座さんの2階の古本コーナーで巡り合ったのが、大島弓子の初期作品を集めた短編集。後々の作品に繋がるような瑞々しく深い物語の数々でした。今回はその後々の作品にあたる、代表作をご紹介したいと思います。

 

f:id:keibunshabooks:20160630152317j:plain

 

近年の作品で有名なのは、「グーグーだって猫である」。
作者の猫との生活を綴ったエッセイ漫画です。ドラマ、映画化もされましたので、ご存知の方も多いかと思います。
また、感受性が強く不安定な主人公を描いた「バナナブレッドのプディング」も有名です。こちらも文庫化されていて、1977年の作品ですが気軽に書店で手にとれる1冊。今読んでも色あせない、独特の感性で描かれた世界観は、何度でも読み返したくなります。

数々名著がありますが、中でもお手に取っていただきたいのが「綿の国星」。自分の事を猫だと思っている「チビ猫」が主人公です。猫たちはみんな擬人化して登場。今では割と当たり前になっているこの表現ですが、当時では珍しく、猫耳の元祖と言われているとか。人間になりたいけれども、なれないチビ猫のいじらしさ。どこかズレていて空回っているチビ猫を、むぎゅむぎゅと可愛がりたくなります。飼い猫やノラ猫を取り巻く事情、チビ猫の目を通して見た人間模様。サラッとした繊細な画風、心に沁みていくような詩的表現はやはり大島弓子ならでは。

オンラインショップでは、お菓子研究家やマンガ家たちが、大島弓子を語り尽くす異色の研究本も取り扱っています。大島弓子にインスパイアされたレシピ、カードや詩集などのコレクション図版も満載。漫画と合わせていかがでしょうか。
「綿の国星」「バナナブレッドのプディング」なども店頭で扱っておりますのでお気軽にお問合せください。

大島弓子にあこがれて
http://www.keibunsha-books.com/shopdetail/000000016041/

 

(森)