恵文社一乗寺店 スタッフブログ

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2016年6月書店売上ランキング

 

雨の多い六月。

気分は『雨の日はソファで散歩』。外は土砂降りの天気の中、室内で読書に勤しむ友人たちの姿が心強く、それに触発されるように家での読書が捗るひと月でした。

さて、枕はこのあたりにしておいて、今回は2016年6月当店の書籍売上ランキングをお知らせます。

 

1位『107号室通信』カシワイ リイド社

2位『翻訳できない世界のことば』エラ・フランシス・サンダ-ス 創元社

3位『MONKEY vol.9 短篇小説のつくり方』スイッチ・パブリッシング

4位『かわいいパンレターブック』パイ インターナショナル

5位『これからの本屋』北田博充 書肆汽水域

6位『HAB 本と流通』エイチアンドエスカンパニー

7位『ガケ書房の頃』山下賢二 夏葉社

8位『映画を撮りながら考えたこと』是枝裕和 ミシマ社

9位『ラダックの風息 新装版』山本高樹 雷鳥社

10位『ちいさな手のひら事典 ねこ』ブリジット・ビュラール=コルドー グラフィック社

 

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1位は『107号室通信』カシワイ リイド社

リイド社が発行するWebコミックマガジン“トーチ(torch)”から、新鋭のイラストレーター・カシワイさんの初作品集が発売。どこか今日マチ子のデビュー時を思い出させるような雰囲気を纏ったオールカラーの作品群は、どのコマをとってもそれぞれがイラスト作品のように、丁寧に描かれています。当店ギャラリーアンフェールではイラストポスターなどの展示も開催されました。     

 

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2位は『翻訳できない世界のことば』エラ・フランシス・サンダ-ス 創元社

当店上半期のベストセラーです。“翻訳できない世界のことば / Lost in translation”を集め、可愛らしいイラストとともに紹介したこちらの本。訳者の前田まゆみさんはご近所だったこともあって、先日当店まで遊びに来てくださいました。無論、原書では英語で描かれている文字イラスト。聞けば、日本語版の文字イラストは前田さんが手がけられたそうで。言葉の翻訳はもちろん、イラストの翻訳が大変だったという興味深い裏話を教えてくださいました。   

 

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3位は『MONKEY vol.9 短篇小説のつくり方』スイッチ・パブリッシング

ご存知、翻訳家柴田元幸が編集長を務める文芸誌です。柴田さんの思う不思議な短篇のつくり方をする作家の作品がこれでもかというほど贅沢に収録されています。中でも興味深かったのは、編集長が投げかけた質問に各界の著名人が答えるアンケート「猿からの質問」のコーナー。今回の「いままで読んだすべての短篇のなかで、一本だけ自分が書いたことにできるとしたら、どれを選びますか?」という問いに、各人が思い思いの回答をしています。円城塔はレム・コールハースの「プールの物語」、大学教師の荒井裕樹は内田百閒「サラサーテの盤」を、是枝裕和は志賀直哉の「剃刀」を。その手があったか、という驚きと納得と。アンケートとは、さながら大喜利のようなものですね。

 

少し長くなりましたが、今回はこのあたりで。

来月もお楽しみに。

(鎌田)