昨日、書家・華雪さんによる書と篆刻の講座を行いました。今期は、紙に書かれた、あるいは石に刻まれた書の線に焦点を当て、その魅力を探ります。第一回目の書の講座テーマは、『直線―書くというたのしみ/木簡の「線」』。現場の様子を、こちらでもご紹介したいと思います。
書のよしあしを定めるのはあなたの眼であるというよりほかにはありません。(略)眼がじゅうぶんでないと自覚すればするほど見ることに真剣にならざるをえません。その真剣さのなかからよみがえってくる自分を信じて努力するほかありません。
という森田子龍の書論を導入に、一つの机を囲んだ座学がスタート。文字の線と、絵の線の違いをあらためて問い直しつつ、筆運びの速度や筆の持ち方によって、線が変化することを学びます。
講座の後半は実技。実際に筆を手にして、漢時代の木簡を臨書しました。華雪さんがご用意した筆は、イタチ、猿、馬、山羊、鳥(ニワトリ、ホロホロチョウ)、竹、藁とさまざま。鳥の筆はとても柔らかく、藁の筆はしなりにくいなど、書き味の違いを楽しみつつ、選んだ文字に向き合います。最後は、各々が選んだ和紙に清書した文字の講評会。と言っても上手い下手で判断するのでは無く、その文字を選んだ理由や、書いた感想を聞き、その人ならではの書きぶりを見直すもの。他の参加者の文字と並べ比較することで、文字の奥深さを実感しました。
次回は 5月29日(日曜日) に開講予定です。
【篆刻】11:00-13:30 緩やかな「線」
【書】15:00-17:30 直線――刻まれた祈り/墓碑銘の「線」
受講料
各回6,000円(材料費込)
※篆刻と書を通し受講の場合10,000円
詳細はこちらをご参照ください。
年間を通しての講座ですが、お気軽に一回から受講いただけます。
皆様のご参加をお待ちしております。
(田川)