恵文社一乗寺店 スタッフブログ

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ポーの一族

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未だに色あせる事のない、少女漫画の名作『ポーの一族』。

今月末には、ポーの一族を原案にしたドラマ※1も放映されるとの事で、 今回は、今なお愛され続ける、こちらの漫画をご紹介させていただきます。
作者は、花の24年組のお一人、萩尾望都先生。
花の24年組とは、昭和24年生まれの少女漫画家たちを指した言葉で、
SFや同性愛などを取り入れ、少女漫画に新しい風をもたらした方々。
ポーの一族も、発表された当時は異色の作品だったそうです。

ポーの一族とは、永遠の時を生きるバンパネラの一族のこと。
バンパネラだと気づかれないように人に紛れて暮らすエドガーと、彼を取り巻く人々のお話です。
基本的にバンパネラは不死なので、様々な人がエドガーの前に現れては去って行きます。
別れを繰り返しながら、エドガーは14歳の少年の姿のままで生き続けます。

綿密に構成された物語と、幻想的で繊細な絵柄が魅力的。
映画のようなコマ割りと構図で、グイグイと物語の世界に引込んでくれます。
ポエムのような叙情的な文章、独特の雰囲気など、
普段少女漫画を読まない方にもぜひ読んでほしい一冊です。

萩尾望都先生は、現在もさまざまな雑誌でご活躍中。
最近では、『王妃マルゴ』(1~4巻発売中)や、小松左京先生が原作の『AWAY』(1~2巻完結)などの単行本を描かれています。
今後の作品にも注目です。

(森)


※1「ストレンジャー ~バケモノが事件を暴く~」
放送日時:2016年3月27日(日)21:00~ テレビ朝日