恵文社一乗寺店 スタッフブログ

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「経緯の網目」廣橋美侑×森本ひな子

ギャラリーアンフェールでは、京都造形芸術大学に通う廣橋美侑さんと森本ひな子さんによる二人展「経緯の網目」を開催中です。

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自由にいろんなことができる二年生のうちに展示をしたいとのことで、つい先日成人式を迎えられたお二人の新たな出発点となる展示になりました。共通するテーマは「生と死」。対極にあるけれど環のように循環するこのテーマについて、ぐるぐる巡る葛藤や複雑な気持ち…いろいろな視点から思い思いに制作された作品が並びます。

 

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廣橋美侑さんは「たべもの」をモチーフにした絵画作品。生と死に直結するイメージがある食べ物を、独自の視点で描かれています。ダイナミックな構図、エネルギッシュな発想に度肝を抜かれます。

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生々しい生を感じる吸い込まれるようなイチジクが描かれた作品や、色が反転した女の子とチキン。数枚の絵からは、洪水のように溢れんばかりの力を感じます。

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そして面白いのがこちらの作品。会場でお客様に書いてもらった「嫌いな食べ物とその理由」を持ち帰って、その食べ物を用意して友人をモデルに「いただきます」の写真を撮影。般若心経が描かれたキャンバスに日に日に増えていくというもの。”見知らぬ来場者の煩悩を消化・昇華する””般若心経の上に貼られていく手を合わせたポーズ”。見れば見るほど唸ってしまいます。

 

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森本ひな子さんは、「自然」「生き物」をモチーフに架空の生命を紡ぎだすコンセプトで立体と絵画作品を制作されました。

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不思議な街並みからの芽吹き、海月のような生き物の中にある街並み。まっすぐに前を見つめる肖像…不思議な発想が形になって今にも動き出しそうだけれど動かない。不思議な感覚は影のできる立体作品ならではの面白い距離感、違和感です。

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お二人のほかの作品は会場のポートフォリオでもご覧いただけます。どれも面白い作品ばかりで実際に全部見てみたくなるほど。お二人とも時間をみつけては在廊されているので、ぜひとも作品についてお話してみてください。一つ一つに込められた思いを聞いて、きっと新しい発見を感じていただけると思います。ご来場をこころよりお待ちしております。

 

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「経緯の網目」廣橋美侑×森本ひな子
開催期間:2020年1月14日(火)-1月20日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール

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このたび、京都造形芸術大学の学生、廣橋美侑と森本ひな子の2人による、美術作品展「経緯の網目」を開催いたします。
廣橋は「たべもの」をモチーフに、距離や実態・現実を曖昧にさせる新たな世界を紡ぎ出し、森本は日常の中にある「自然」と「生き物」に生命性を見出し、それらを複合的に構成することによって架空の生命を紡ぎ出します。
2人の作品が織り込まれた本会場では、「鑑賞者」が作品を鑑賞することによって、作家だけではない多角的な視点が交差する「網目」となり、初めてひとつの展覧会が完成します。ぜひあなただけの「網目」を探しにお越しください。

廣橋美侑・京都造形芸術大学アートプロデュース学科2年生
森本ひな子・京都造形芸術大学美術工芸学科2年生

Twitter:https://mobile.twitter.com/Keii_no_Amime

 

(上田)