恵文社一乗寺店 スタッフブログ

恵文社一乗寺店の入荷商品やイベントスケジュール、その他の情報をスタッフが発信いたします。

選書フェア「いしいしんじ選 酒の本、本の酒」のご案内

酒は百薬の長、はたまた毒か。

 

f:id:keibunshabooks:20180905202615j:plain

現在、書店一角のテーブルにて選書フェア「いしいしんじ選 酒の本、本の酒」を開催中です。その名の通り、いしいさんにお酒に合う本と、本に合う酒を選んできただきました。

 

f:id:keibunshabooks:20180905202909j:plain

 

中島らもにオリオンビール。田村隆一の詩にオールドパー。開高健にはもちろん山崎。内田百閒にシャンパン。フィリップ・マーロウといえば「ギムレットには早すぎる」。ジュノ・ディアズにはドミニカのラムを。

 

想像するだけでなんとも喉の渇く組み合わせ、酒好きにはたまらない共演です。酒を心ゆくまで楽しむには、美味い料理が欠かせませんが、本と酒の相性もなかなか。キューバで過ごした優雅な日々、ヘミングウェイはバーで毎日ダイキリをダブルで12杯飲んだそうで、10年に及ぶスランプを乗り越えたきっかけもこのカクテルにあるのではと言い伝えられています。酒、カクテルにまつわる逸話、伝説に文学や映画の話題は欠かせないものです。

 

今回のバーテンダーは小説家・いしいしんじさん。いしいさんの選書をこれまでにも目にしてきましたが、本屋が白旗をあげたくなるような、毎度素晴らしいバランスのとれた選び方をされます。

 

f:id:keibunshabooks:20180905202631j:plain

 

さすがにお酒は用意できませんが、10種類の酒と10冊の本をイラストにまとめた冊子を無料で差し上げております。書影と酒瓶の味のあるイラストはミシマ社の美術担当長谷川さんにお願いしました。

 

f:id:keibunshabooks:20180905202640j:plain

 

今回のフェアに至った経緯をご紹介します。

 

f:id:keibunshabooks:20180905203005j:plain

 

灼熱の8月。いしいさんのエッセイ『きんじよ』の発刊に際し、出版社ミシマ社の音頭で京都の各書店で開催された、いしいしんじ夏の「きんじよ」祭。いしいさんのお住まいがある川端丸太町界隈、まさしく「きんじよ」での出来事が綴られた新刊にちなんでの連続イベントです。8月30日、一連の祭を締めくくるイベントを当店にて開催しました。いしいさんの京都暮らしが始まった店「おおきに屋」さんの望月さんといしいさんの対談トークショー【『きんじよ』を食べる〜北白川・おおきに屋さんのとっておきの味〜】。耳で聴き、目で見て、舌で料理と酒をあじわうスペシャルなイベントになりました。

 

f:id:keibunshabooks:20180905202949j:plain

 

そのイベントに向けてミシマ社から「いしいさんの選書フェアを企画しないか」という提案があり、酒好きの当店スタッフが今回のテーマを依頼したことが発端です。いしいさんはワコールスタディホールでの連続講義で「酒はものがたる」というテーマでトークショーも開催されていました。https://www.wacoal.jp/studyhall/school/event/article81233

 

f:id:keibunshabooks:20180905202655j:plain

普段ふざけている(尊敬しています。)近所の蕎麦屋の大将に好きな作家を聞いたらランボーと田村隆一という答えが返ってきました。カウンターの常連さんはいつもブコウスキーについて語ってくれます。酒好きには読書家が多いと信じて。ご来店の際はぜひお楽しみください。

 

(鎌田)