恵文社一乗寺店 スタッフブログ

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2018年7月書店売上ランキング

 

理想的なスパイスカレーを作るには、みじん切りにしたタマネギを炒める工程が肝心で、10分以上フライパンと向き合うことが欠かせません。家のキッチンに冷房はなく、いつも全身びしょびしょになりながら焦げるかどうかのギリギリを見極めます。トマトとお湯と具材を加えて煮詰めている間に水風呂に入ると、ちょうど出た頃に出来上がり。暑い夏だからこその楽しみかた。

 

さて、今回は2018年7月の書店売上ランキングをご紹介します。以下、どうぞご覧ください。

 

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1位『ぽかん07』(ぽかん編集室)

 

2位『はな子のいる風景イメージを(ひっ)くりかえす』(武蔵野市立吉祥寺美術館)

 

3位『ATLANTIS 創刊号』(BOOTLEG)

 

4位『数学する身体』森田真生(新潮社)

 

5位『かんがえる子ども』安野光雅(福音館書店)

 

6位『手繪京都日和』Fanyu(啟動文化)

 

7位『京をあつめて』丹所千佳(ミシマ社)

 

8位『水中翼船炎上中』穂村弘(講談社)

 

9位『むかしこっぷり』おくやまゆか(KADOKAWA)

 

10位『みえるとかみえないとか』ヨシタケシンスケ伊藤亜紗(アリス館)

 

第1位は、文芸冊子『ぽかん』第7号。山田稔さん書き下ろし、最初で最後の掲載となった片山令子さんの寄稿、発行人の真治彩さんから片山さんに宛てた文章、追想し記憶する。それぞれの文章が独立しながら、『ぽかん』という小冊子のもつ空気にぴったりと寄り添った深みのある一冊に。

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山田稔さんが富士正晴、杉本秀太郎、福田紀一、鶴見俊輔らとの記憶を書きだした、今年発売の新刊『こないだ』(編集工房ノア)もあわせておすすめです。当時の京都の姿、在りし日を追憶した一冊。

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第2位は、『はな子のいる風景イメージを(ひっ)くりかえす』。ゾウのはな子と記念写真。写真提供者たちの記憶をたどるインタビュー、飼育日記、新聞記事などをまとめ、当時の記憶とともにはな子と過ごした膨大な時間を紡ぎ直した一冊。各家庭のアルバムを開くような趣を再現した他に無い、こだわりの造本。優先的に卸していただいた当店再入荷分もあと僅かに。

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第3位は、雑誌『NEUTRAL』『TRANSIT』を制作してきた編集者、加藤直徳さんによる新雑誌『ATLANTIS』創刊号。創刊までの記録を追ったZINEを経た待望の一冊。北朝鮮、東北、バルト三国、京都、パレスチナ、NY、パリ、沖縄。各国を旅しながら、「境界ボーダー」という普遍的なテーマ、その存在を明らかにしていきます。

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4位は、独立研究者・森田真生さんのデビュー作の文庫版『数学する身体』。当店ではお馴染みの一冊です。この本と並んで当店で人気の森田さんが絵本の文章を担当した『アリになった数学者』。福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」2017年9月号として発売されたものですが、僅か一年でハードカバー書籍化が決定したそうです。こちらは10月刊行予定。

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9/15(土)には三ヶ月に一度、定例のトークライブ「数学ブックトーク」を開催します。ぜひ。

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5位は、画家、絵本作家の安野光雅さんの新刊エッセイ『かんがえる子ども』。今月の福音館の雑誌「母の友」の特集は「数のはなし」。安野さん、森田さんが並んで寄稿した号です。当店にも数日中に入荷予定。

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6位は、台湾のイラストレーター、Fanyuの京都滞在絵日記『手繪京都日和』。馴染みの喫茶店からスーパーで買ったものまで、丁度よくデフォルメされた店や物のイラストが心地よい。こちら台湾から取り寄せています。全編中文ですが、当店ではまえがきあとがきを日本語訳した冊子を特典としてお付けしています。日本ではなかなか手に入らない一冊です。再入荷したこのタイミングにいかがでしょうか。

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Fanyu他著作もあわせて入荷しております。彼女の故郷であり、現在住む街「台中」を描いた『手繪台中日和』など、旅のお供におすすめです。

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7位は、京都在住の編集者・丹所千佳さん初の著作『京をあつめて』。8位は、歌人・穂村弘さん17年ぶりの歌集『水中翼船炎上中』。7/28には編集者と著者という間柄であり、普段から親交も深いお二人のトークイベントを開催しました。穂村さん曰く『京をあつめては』、「親切すぎない」ところが面白い。京都案内に徹さない姿勢が魅力的な一冊です。

 

9位は、漫画家おくやまゆかさん3年ぶりの新刊『むかしこっぷり』。サイン入り書籍、特典の栞、ステッカー付きでご用意しております。こちら先着順となりますので、ご希望の方はお早めに。

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10位は、『目の見えない人は世界をどうみているのか』著者の伊藤亜紗さんが監修し、(ヨシタケシンスケさんが描いた絵本『みえるとかみえないとか』。宇宙飛行士の主人公が前も後ろも見える宇宙人と出会う事から物語ははじまります。人と違うこと、同じこと。“ちがいをかんがえる”絵本。

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今月はここまで、来月もお楽しみに。

 

(鎌田)