恵文社一乗寺店 スタッフブログ

恵文社一乗寺店の入荷商品やイベントスケジュール、その他の情報をスタッフが発信いたします。

イタリア・フィレンツェ「ブルスコリ工房の手しごと展」

ギャラリーアンフェールでは現在『ブルスコリ工房の手しごと展』を開催中です。

f:id:keibunshabooks:20180513181347j:plain

ブルスコリ工房は、イタリア・フィレンツェで1881年に創業された歴史ある老舗革工房。当時は革表紙の製本を中心にされていて、現在は製本の他、イタリア各地から依頼されるアンティーク家具の装飾を主に手がけられています。

f:id:keibunshabooks:20180513181418j:plain

ここで現在5代目を務めるのが、京都出身の齊藤美菜子さん。以前はバッグ職人としてイタリアで活動されていましたが、ご縁があって先代からブルスコリ工房を引き継がれたそうです。

f:id:keibunshabooks:20180513181501j:plain

まさかこんな遠く海の向こうから展示がやってくる機会があるとは思っていなかったので、最初にご連絡をいただいた時はとても驚いたのを覚えています。京都出身の斎藤さんのお声掛けで実現した今回の展示では、長く受け継がれてきた金装飾などの技法を活用したバッグ、小物を中心にご紹介。本場の上質なイタリアンレザーが美しい革小物が並びます。

今回は展示販売の他に、工房での作業の様子もたくさんご紹介いただいています。

f:id:keibunshabooks:20180513181523j:plain

こちらは製本の工程を紹介した写真。この工房で長い長い時間を過ごしてきた道具と、当時から受け継がれてきた技法を用いて、いくつもの工程を経て、やっと出来上がる一つの商品。手作業で丹精込めて作られている工房の様子がよくわかります。

f:id:keibunshabooks:20180513181556j:plain

f:id:keibunshabooks:20180513181619j:plain

金装飾に使用される鉄製スタンプは、創業当時から使われている物。壁に貼られた紙にはスタンプ見本がずらり約1800種類!どれもとても緻密で美しいデザイン。現在ではこのスタンプを作る職人さんがいなくなってしまったとのことで、とても貴重な道具です。

f:id:keibunshabooks:20180513181652j:plain

このスタンプを使って金装飾が施された革小物。小箱やコースターの他、本がデザインされたブルスコリ工房ならではのユニークなバッグも。

f:id:keibunshabooks:20180513181707j:plain

 

f:id:keibunshabooks:20180513181735j:plain

こちらは色とりどりのレザーで作られた長財布。中にはアンティークレザーを使ったものも。こちらはお好きな色合わせでオーダーしていただくこともできて、今回とても好評いただいています。

f:id:keibunshabooks:20180513181759j:plain

f:id:keibunshabooks:20180513181813j:plain

どれもとても上品な佇まいで、手仕事だからこそのしなやかで凛とした美しさと、ぬくもりが伝わってきます。

f:id:keibunshabooks:20180513181838j:plain

時代の移り変わりとともに変わっていくこと、長い時間をかけて守られ続けてきたこと。そして今も着実に、一日一日新しい時間を積み重ねられている、フィレンツェの街角の小さな工房。ここで紡がれてきた長い長い時間の一頁にぜひ出会っていただけたらさいわいです。ご来場をこころよりお待ちしております。

 

イタリア・フィレンツェ「ブルスコリ工房の手しごと展」
開催期間:2018年5月8日(火)-14日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は18:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール

f:id:keibunshabooks:20180513181257j:plain

ブルスコリ工房
1881年創業。牛革を使用した本の装丁を行ってきた工房です。
当時からの道具と技術はそのまま現在の作り手へと引き継がれています。
イタリア国内の5つ星ホテルの室内調度品製作やヨーロピアン家具のレザー貼り・純金装飾に加えて近年はこれら伝統技術をバッグやスモールレザーグッズに使用するなど新しい事にも挑戦しています。
1800年初頭~1900年初頭に作られた道具から生まれる手しごとと、その道具から創られる約1800種類の模様のコンビネーション、職人クオリティーを是非お楽しみ下さい。
期間中、表情の異なるイタリアンレザーから1つ1つ丁寧に仕上げられた”同じとない特別なもの”を展開いたします。

 

(上田)