没後20年。今なお、語られることの多き作家、須賀敦子。
小説、エッセイ、翻訳。その澄み切った文体で描写される美しい世界。
生前、彼女と親交の深かった写真家・大竹昭子さんが、その足跡を追うようにイタリアの地を旅した記録が一冊の文庫『須賀敦子の旅路 ミラノ・ヴェネツィア・ローマ、そして東京』(文藝春秋)として刊行されました。過去に刊行されていたシリーズを一冊にまとめ、東京編が加筆された読み応えのある一冊です。大竹さんが須賀さんとともに旅するように書かれた文章を読んでいると、同時に私たち読者もその旅に同行しているような錯覚を覚えます。
大竹昭子写真展 須賀敦子のいた風景
3/27(火)−4/2(月)※最終日は18時まで。
ギャラリーアンフェールにて
刊行に際し、大竹昭子さんの写真展「須賀敦子のいた風景」をギャラリーアンフェールにて開催します。ミラノ、ヴェネツィア、ローマへ、大聖堂、運河、鉄道。写真の横に須賀敦子の著作から引用された文章の断片が添えられた展示となっており、まさに旅をするように須賀作品の世界を体験していただけます。朝の清らかな空気にも、夜のひっそりとした静けさにもしっくりくる、吸い込まれるような展示が完成しました。ぜひ、ゆっくりと眺めてください。
展示会場には書籍も並びました。一挙にその作品と訳書が揃うと、その一貫した端正なデザインに気がつきます。
なお、会期中には大竹昭子さんによるトークイベントも開催いたします。
大竹昭子トークイベント 「没後20年、須賀敦子を読みなおす」
【日時】2018年3月31日(土) 開場14:30 / 開演15:00
【料金】1500円
イベント詳細はこちらからhttp://www.cottage-keibunsha.com/events/20180331/
没後20年の節目。須賀敦子に改めて触れるこれ以上ない機会。これまでの読者にも、これから彼女に出会う若い読者にも、たくさんの方にご覧いただきたい写真展です。
(鎌田)