ギャラリーアンフェールでは現在、田村真理さん、服部真季さんによるガラス展「透明地図」を開催中です。冬に見るガラスはいっそう幻想的に目に映るような気がします。色とりどりの美しいガラス作品が並びました。
こちらは「雨あがり」と名付けられた田村さんの小箱。水面のゆらめきもすべてガラスで表現されていて、本当の水たまりのように表情豊かな美しさ。
こちらも同じく田村さんの作品で、ガラスの長靴の中に小さなメモが閉じ込められた作品。実物の長靴で型を作られたそうです。
田村さんは他にも実物で型を取り作品を制作されていて、作品資料に掲載されているレースのガラスは、レースを編んで型を取り、レースを燃やして取り去りそこにガラスを流し込んで作られるそう。その驚くような制作話からつくられるガラスはとてもとても繊細で、儚い美しさに引き込まれます。
服部さんの作品は、どれも童話の世界の小さな宝石のようなかわいらしさ。こちらはガラスのブックマーク、「旅の伴走者」というすてきな名前がついています。分厚い本に挑戦したくなりそう!
瓶の中のこんぺいとう。星をとじこめたようで夜空の見える窓辺に飾りたくなるオブジェです。
そして入口を飾るこちらは、事前に拝見した作品資料で見かけてとても気になっていたオブジェ「primitive hut」。そんなお話をしていたこともあり展示に合わせて持ってきていただくことができました。いろんな物語や夢が広がるとてもすてきな作品で、ずっと眺めていたくなります。
富山ガラス造形研究所でガラス制作を学ばれたお二人。その後活動されている場所や技法は違えど、お二人によって作り出された空間は、どこかアンソロジーの頁をめくるような不思議で心地よい感覚。一つ一つに名付けられたタイトルもとてもすてきで、広い世界、深い物語がガラス作品に込められたようです。
透き通る影、美しく柔らかい光、危うげな儚さ、人の手で作られた優しいぬくもり…ガラス作品の粋をじっくり堪能できるすてきな展示になりました。ご来場をこころよりお待ちしております。
田村真理&服部真季 ガラス展「透明地図」
開催期間:2017年12月12日(火)-12月18日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は18:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール
ガラス作品をつくる二人組の、ユニット「透明地図」としての今回が初の作品展です。オブジェの他に小箱、器、アクセサリーなどの実用品も並ぶ予定です。
おもわずそっと触れたくなるような、
われ知らずじっと眺めたくなるような、
心ともなくずっと傍に置きたくなるような
そんなガラスを見つけに、ぜひ恵文社へお越しください。
『透明地図』
主にガラスをつかい、日々制作に励む二人。技法も活動場所も様々ながら、作品にかける想いや素材に対する慈しみに共通項が多く、2017年「透明地図」を結成。ユニットとしての発表は今回が初。
田村真理(たむら・まり)
京都府生まれ
2015年 富山ガラス造形研究所 造形科卒業
2017年 富山ガラス造形研究所 研究科卒業
服部真季(はっとり・まき)
愛知県生まれ
2017年 富山ガラス造形研究所 造形科卒業
(上田)