恵文社一乗寺店 スタッフブログ

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2017年3月書店売上ランキング

気がつけば、3月も終わり新しい年度が始まりましたね。よく店に遊びに来てくれていた大学生の友人たちは、こぞって東京へと旅立ったようです。引越しのトラックの多さと、初々しい若者とその両親と思われるグループを見かけると、左京区が学生の街だということに改めて気付かされます。

 

それでは今回は2017年3月の書店売上ランキングをお知らせします。

 

1位『角砂糖の日』山尾悠子 LIBRAIRIE6

幻想小説家・山尾悠子、幻の短歌集

 

2位『美しい街』尾形亀之助 夏葉社

前月に引き続き好調、尾形亀之助詩集復刊

 

3位『ムービーマヨネーズ 創刊号』Gucchi's Free School

日本未公開の映画を紹介するリトルプレス

 

4位『世界をきちんとあじわうための本』ホモ・サピエンスの道具研究会 ELVIS PRESS

もはや定番、あざやかで心地よい気づきと学びの本

 

5位『孤独がきみを強くする』岡本太郎 興陽館

地道に売れ続けている一冊、再読する岡本太郎の言葉

 

6位『魔女の12ヶ月』飯島都陽子 山と渓谷社

自然を尊び、知り尽くした魔女の「暮らし」と「知恵」

 

7位『MONKEY vol.11 ともだちがいない!』スイッチ・パブリッシング

毎号、売れてます。柴田元幸責任編集文芸誌、第11弾

 

8位『あおいよるのゆめ』ガブリエーレ・クリーマ WORLD LIBRARY

イタリアの仕掛け絵本、取扱い店はまだまだ少ない様子

 

9位『野菜』細川亜衣 リトル・モア

恵文社男性陣も食いついた、旬の野菜50種を味わうレシピ集

 

10位『ぼくのおじいちゃん』カタリーナ・ソブラル アノニマ・スタジオ

パネル展開催中、版画調の絵が可愛らしいポルトガルの絵本

 

第1位は、幻想小説家・山尾悠子、幻の短歌集『角砂糖の日』です。

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恵比寿のLIBRAIRIE6/シス書店内企画展から生まれた新装再刊版、初版は即完売、待望の第二版が入荷しましたが、こちらも在庫僅少となっております。各章のはじまりに挿入された、合田佐和子さん、まりのるうにいさん、山下陽子さんの挿画もとても素敵です。ご希望の方はお早めに。

 

第3位は、日本未公開の映画を紹介・上映するGucchi’s Free School制作のリトルプレス『ムービーマヨネーズ 創刊号』。

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この文章量、質の高さでなんと900円!(しかも税込!)創刊号のテーマでもある青春映画というジャンルを、美術、講義、地理、英語、建築、音楽、家庭科、国語など、8つの授業科目に振り分け、順を追って解説。教科書のような表紙からも想像できるように、一貫して学校をモチーフにしたアートワークも購買欲をそそります。ミルハウザーの短編が映画化された「シスター・フッド・オブ・ナイト」柴田元幸評はじめ、豪華な寄稿陣も魅力的です。買いの一冊。

 

 9位は、熊本に住む料理家、細川亜衣さんのレシピブック『野菜』。

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ふきのとうのおかゆ、たけのこの春巻き、春の白和え、そら豆わんたん、焼きいもと唐辛子のフォカッチャ、などなど、暖かくなりスーパーの野菜売り場も賑わう今の時期におすすめです。単に料理工程が書かれているのではなく、メモ書きのような文章でつくり方がそれとなく書かれ、各レシピの後に寄せられた細川さんに直接語りかけられているような、ちょっとしたコツや美味しい食べ方が、この本を読む人にとって特別なものへと昇華させているのではないでしょうか。写真も美しい一冊。

 

今月のランキングは個性的な本が、偏りなく紹介できました。

ちょっとした紹介文をそれぞれの本に付けてみましたがいかがでしょうか。

来月もお楽しみに。

 

(鎌田)