坂元裕二が脚本を手がけるドラマ「カルテット」。久しぶりに欠かさずにドラマを見ています。セリフの掛け合いやキャスティング、どれを取っても面白く、毎週火曜日が楽しみでなりません。中でも毎回ハッとさせられるのは、登場する料理の美味しそうなこと。クレジットをみると料理は飯島奈美さんが手がけているそうです。良い映画やドラマに食事シーンは欠かせません。飯島さんの新刊『LIFE 副菜2』も入荷しています。ほぼ日から。
それでは、2017年2月の書籍売上ランキングをお知らせします。
1位『美しい街』尾形亀之助 夏葉社
2位『一汁一菜でよいという提案』土井善晴 グラフィック社
3位『という、はなし』吉田篤弘 フジモトマサル 筑摩書房
4位『SPECTATOR vol.38 特集赤塚不二夫』エディトリアル・デパートメント
5位『千明初美作品集 ちひろのお城』千朋初美 復刊ドットコム
6位『自分で考えよう』ペ-テル・エクベリ スヴェン・ノルドクヴィスト 晶文社
7位『茨木のり子の献立帖』平凡社
8位『家族最後の日』植本一子 太田出版
9位『下北沢について』よしもとばなな 幻冬舎
10位『鹿児島睦の器の本』鹿児島睦 美術出版社
1位は、夏葉社の新刊『美しい街』。戦前の詩人・尾形亀之助の初期から晩年まで全作品のなかから55の詩を選び、まとめられた詩集。詩の合間には同時代に活躍した画家・松本竣介のデッサンが入っています。夜、部屋でつぶやいたような、美しい言葉たち。辻まことも尾形亀之助の詩集をポケットに入れて持ち歩いていたそうですが、まさに普段から鞄やコートに忍ばせて持ち歩きたい一冊。ポケットにすっぽりと収まる大きさがこれまた良い。復刊を待ちわびていた方にも、おそらく彼の詩人を知らないであろう若い方にも、渋い詩集ながらたくさんの方に届きました。
先日入荷した、平凡パンチ、BRUTUS、POPEYEなど、雑誌という媒体が一番元気だったころに活躍した伝説のフリー編集者・寺崎央のコラム集『伝説の編集者H・テラサキのショーワの常識』に尾形亀之助の記述を発見し、驚きました。曰く「長年読みたいと願っていた尾形亀之助をやっと読めた興奮は抑えようもないんだな。」と。尾形亀之助の詩が新刊で読めるということの幸せ。感じていこうではありませんか。
2位は、もはや当店の定番となった『一汁一菜でよいという提案』。米を中心に、味噌汁と漬物でなる食事の型、「一汁一菜」を提案する本書は、日々忙しく生きる私たちの強い味方です。これで十分と気づいてからは、家での料理が気楽に、愉しくなりました。余談ですが、NHK「きょうの料理」でのアナウンサーの方との掛け合いがなんともゆるく、帰宅してたまたま土井先生の回だとすこし嬉しい今日この頃。
5位は、月刊漫画誌「りぼん」でデビューを果たしながら、70年代後半に数冊の作品集を刊行したきり永らく幻となっていた千明初美。装いを新たに復刊した『千明初美作品集 ちひろのお城』。漫画家の高野文子さんが企画・監修し、今回の刊行を後押ししたことは意外と知られていないようなので、身近に高野さんファンがおられる方はそっと教えてあげてみては。数が少なくなってまいりましたが、先着ご購入特典としてポストカードと高野文子メッセージペーパーをお付けします。こちらは数に限りがありますので、お早めに。
それでは、今回はこのあたりで。
また来月、お楽しみに。
(鎌田)