恵文社一乗寺店 スタッフブログ

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石田榮写真集『はたらくことは生きること』

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本日から書籍フロア一角では、写真集『はたらくことは生きること』パネル展を開催しています。

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海軍航空隊の整備兵として働いていた石田榮さんは、戦後、譲り受けたカメラ(蛇腹式セミコンタ)を手に写真を撮り始めました。被写体になったのは自宅からほど近い浜や農村、石灰山で働く人々です。

苦しい仕事に汗を流しながらも、彼らはそれを楽しんでいるように感じたと、石田さんは語ります。確かに歯を見せて笑う人々の姿からは、現実の過酷さよりも、むしろそれを受け止め、逞しく生きる様子が伝わります。被写体との対話が聴こえてくるような写真を眺めつつ、当時の暮らしに想いを巡らせてみてはいかがでしょう。

 

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(田川)

 

 

澁木智宏 「石と」

 ギャラリーアンフェールの一角にて、澁木智宏展『石と』を開催しております。

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標本のようにならべられた「石」。それらは視覚では「石」に見えているのですが、感覚ではなにか違った印象を受けていることに気がつきます。普段、鉱物から受ける硬くひんやりとしたものではなく、体温のあるものをみているような感覚になっていることに驚きました。これはいったいなんなのでしょう。

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ひとつひとつの「石」には短い一文が添えられています。
“桜の樹の下、ある犬が掘り起こした石。”“一週間前、黄金に輝いた石。”
静かにここにいる石たちが、それぞれ物語をまとっていることにはっとしました。永久的な鉱物ゆえに見てきた膨大な記憶の中の、きっとそれはほんの断片なのでしょう。石たちはこれからも変わらず、静かに途方もない長い時間を過ごしていくのだろうと、思いを馳せずにはいられませんでした。

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この「石」たちは100%羊毛でできています。石は色々な種類の鉱物が集まり、成分によって色もさまざま。その沢山の色も原毛を染め分けて作られているそうです。羊毛が「石」になるまで、ちくちくと。
 
羊毛なので「石」なのにとても軽い。そして柔らかい。ずっとあったものなのか、澁木さんの作り出したものなのか、いろんな感覚の狭間で驚きに満ちた展示になっています。ぜひ足をお運びください。
 
澁木智宏展『石と』
2016.8.15(mon)-  8.30(tue)
10:00 - 21:00(lastday18:00)
恵文社一乗寺店 アンフェール
 
 
澁木智宏
 
(友田)