恵文社一乗寺店 スタッフブログ

恵文社一乗寺店の入荷商品やイベントスケジュール、その他の情報をスタッフが発信いたします。

イイダ傘店 秋の展示受注会のおしらせ

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9月を迎え、京都も過ごしやすい季節になりました。
さて来週半ばよりイイダ傘店『日傘・雨傘展示受注会』が始まります。

日傘は、イイダ傘店さんのサイトにも掲載のこちら
葉っぱの絵柄をプリントしたリネン素材のものや、刺繍やジャカード織りなどの新作生地。雨傘は、カメ柄も記憶に新しい、二十九年・春のテキスタイルよりお選び頂けます。現在、青山会場での受注会開催中のイイダ傘店さんですが、そちらに先駆けて行われた吉祥寺での展示写真をいくつか送っていただきました。

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ひとつひとつ物語が込められた、オリジナルのテキスタイル。各工場でつくられた生地を、裁断から傘骨への縫い付けに至るまで、イイダ傘店さんのアトリエ内で仕上げています。制作の工程やこれまでのテキスタイルに関しては、書籍『イイダ傘店のデザイン』に詳しいので、未読の方には是非ご覧頂きたいと思います。

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また、今回は新作のピーナッツ柄に因んで、当店からも自転車で行けるほどのご近所、北白川でお店を営むTORAJAMさんのオリジナルピーナッツバターと、季節のジャムも届きます!

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種類は、ピーナッツバター、河内晩柑といちぢくとピーナッツとペッパー、ぶどうと桃とラベンダーの3種類を予定。傘をさした猫が歩く、可愛らしいパッケージはお土産、贈りものにもおすすめです。

 

会期までもう少し!楽しみにお待ちくださいませ。

 

平成二十九年・秋 イイダ傘店 日傘・雨傘展示受注会

会場:恵文社一乗寺店 ギャラリーアンフェール
日時:9月13日(水)- 9月25日(月)
10時 - 21時 ※最終日の展示は18時まで。

 

(田川)

2017年8月書店売上ランキング

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生活館で開催中の地方のお菓子やパンを集めたフェアで買ったモンパルノの牛乳パン。得も言われぬパッケージと、「ベビーとママの」という言い回しもなかなかですが、素朴な味とずっしりと凄まじい食べ応えで、幸福な朝を楽しむことができました。このあたりで地元のお菓子といえば、当店隣の洋菓子屋・ガトーモンブランさんのレモンケーキでしょうか。ご来店の際はぜひ。

 

それでは8月の書店売上ランキングをお知らせします。

 

1位『アリになった数学者 たくさんのふしぎ9月号』森田真生 脇阪克二(福音館書店)

数学ブックトークでお馴染み、独立研究者・森田真生さんが文章を初めて手掛けた絵本

 

2位『世界をきちんとあじわうための本』ホモ・サピエンスの道具研究会(ELVISS PRESS)

定番。あざやかで心地よい気づきと学びの本

 

3位『タラブックス』矢萩多聞 松岡宏大 野瀬奈津子(玄光社)

工芸品のように美しい絵本を作り出す南インドの小さな出版社を紹介した入魂の一冊

 

4位『ぼくはパン Je suis le pain』金子敦 金子泰子(Blood Tube Inc.)

「ウズベキスタン日記」「イラン・ペルシア日記」のデザインユニット初の絵本

 

5位『販路の教科書』越前ものづくり塾(EXS Inc.)

ものづくりに携わる人々に向けて開かれた10回の連続講義の冊子版

 

6位『百年の散歩』多和田葉子(新潮社)

カール・マルクス通り、マヤコフスキー・リング…。ドイツの街を舞台にした短編集

 

7位『ムービーマヨネーズ 創刊号』Gucchi's Free School

日本未公開の映画を紹介するリトルプレス、今週末関連上映会開催!

 

8位『埴原一亟 古本小説集』埴原一亟 山本善行撰(夏葉社)

戦前戦後の雑踏の中で忘れられた作家の古本にまつわる作品を集めた一冊

 

9位『PAIN パンの本』(Fält books)

小麦粉の袋をイメージしたパッケージも可愛らしい絵本のような写真集

 

10位『水の生きもの』ランバロス・ジャー(河出書房新社)

南インドの小さな出版社Tarabooksのハンドメイド絵本

 

 

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1位は、独立研究者・森田真生さんがはじめて絵本の本文を手掛けた絵本『アリになった数学者』です。内容に関しては以前のブログでも何度か触れたので、今回は別の事を書きます。発売時に絵本の売り場と、数学や化学を扱う棚の二か所に並べたところ、圧倒的に数学の棚から買われる方が多く、数学や思想の世界へ踏み込む手がかりとして皆様手に取られている印象を持ちました。

 

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小林秀雄賞を受賞した処女作『数学する身体』(新潮社)は、数字の発生、成り立ちを追い、岡潔とチューリングの対比から数学とは何かという問いに挑んだ一冊でした。そして、彼の関心は数学の分野にとどまらず、時に宗教の思想や哲学、身体論にまたがりながら人間とは何か掘り下げていきます。『アリになった数学者』は、そんな森田さんが普段トークイベントや著書で語る根幹に流れるものをストーリーとしてまとめた絵本と言えます。これから森田真生という書き手に出会う方も、これまでの著作を読んできた方にも手に取っていただきたい一冊です。三ヵ月に一度当店で開催している数学ブックトーク、次回は冬を予定しております。続報をお待ちください。

 

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3位は、南インドの小さな出版社〈Tarabooks〉を紹介した一冊『タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる』です。8月の初週に本国から取り寄せた絵本や関連のトークイベントを開催しました。そのイベントでぜひとも販売したかったタラの代表的な絵本『夜の木』でしたが、タイミング悪く版元品切れ。実はタラブックスでは運よくその時に在庫があれば購入できるというのが普通です。製紙、印刷、製本。タラの絵本は全て職人による手作業で作られるため、重版には長い時間がかかります。本日、邦訳版第6版となる重版分の『夜の木』が入荷しています。版ごとに毎回表紙も変わるので、前回の版を買われた方にもおすすめです。

 

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7位は、日本で公開されていない映画を紹介するリトルプレス『ムービーマヨネーズ』。その完成度の高さと、扱う内容のセンスの良さから当店でも定番として人気を博しています。こちらを発行するGucchi’s Free Schoolは、日本未公開の映画から上質なものを紹介し、上映会を企画する有志による団体。『イット・フォローズ』で世界的な評価を得たデヴィッド・ロバート・ミッチェルのデビュー作『アメリカン・スリープオーバー』を日本で初めて上映したのも彼らでした。その『アメリカン・スリープオーバー』のDVD/BD発売を記念して当店にて一夜限りの上映会を開催します。上映後には吉田由利香(京都みなみ会館)、福富優樹(Homecomings)、加地猛(100000tアローントコ)のお三方によるトークイベントも企画しました。今週日曜日、日は迫っておりますがもう少し席もございますので、参加を希望される方は奮ってご予約下さい。詳細はこちらから。

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http://www.cottage-keibunsha.com/events/20170910/

 

8月は書籍に関連するイベントを多数開催しました。イベントや展示に関連した書籍がしっかりと売れているということがとても有難いです。ありがとうございます。秋にも様々なイベントを企画しております。ご期待ください。それでは今月のランキングはここまで。また来月もお楽しみに。

 

(鎌田)

今週の新入荷、9月第1週

今週の新入荷、9月第1週をお届けします。

 

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まずは、石川直樹さんの写真集『知床半島』から。

標高6194m。アラスカの最高峰デナリ単独登頂に成功した僅か一ヶ月後に訪れた知床半島。北海道の東端、オホーツク海に突き出した最涯ての地。流氷やホエールウォッチングを目当てに観光客も集う場でありながら、冬の山は地元の人でさえも近づけない、人よりも動物の影が濃い極限の地と化します。知床の自然に魅了され、夢中で写真を撮って以来、毎月のように知床を訪れるようになったそうです。

 

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テキストを読んでいて興味深かったのは、「環境や動物、植生ばかりでなく、住んでいる人の雰囲気も、知床とアラスカはどことなく似ているように感じられる」という一文。一面に広がる氷の世界や、夏になると顔を出す豊かな緑。今回の写真集を見ると、石川さんの過去の作品や星野道夫が伝えてきたアラスカの姿が確かに重なります。日本で唯一、ヒグマ対策のフードボックスを設置していたり、ぼんやりと知った気になっていた知床の自然は、遥かに私たちの想像を超えているようです。そして、そこに暮らす人々。ページを進め、巻末に向かうにつれて、学生や家族、街の風景や祭の様子を収めた写真が増えていきます。知床といえば自然という単調なイメージに留まらない、多様性を存分に伝える写真集です。これまでにも山や自然の姿にあわせて、周囲の登山隊やそこに住む人々を撮ってきた石川さんだからこそ作り得た一冊といえます。

 

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こちらと対を成すように制作されたもう一冊の本『SHIRETOKO! SUSTAINABLE』。写真集『知床半島』の中心があくまで自然だったことに対し、これまでと違った知床の魅力を伝えるためのブランドブックとして生まれたこちらはほとんどが住人たちのポートレートで構成されています。自然と人。厳しい寒さと上手く付き合いながら共存する姿から、知床の日常を垣間見ることができます。ぜひ二冊あわせて読んでいただきたい本たちです。どちらも知床斜里町観光協会から直接仕入れています。いつか訪れてみたい場所がひとつ増えました。

 

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続いて、京都の印刷屋・修美社が発行する印刷と紙のトライアルブック『襲美』。

京都在住の若手作家、写真家、デザイナーら4人と修美社が共作したアートブックです。特徴はその作り。A2サイズのポスターを折り、一冊の本に仕立てています。水のつややかな表現や、木目のようなあたたかい雰囲気。作家たちと印刷のプロたちが実際に何度も実施した試行錯誤の様子が付属の冊子に記録されています。思っていた色合いを印刷で出すというのは、案外難しいもの。実際にこちらに収録された作品を見ながら、どうやってこの色や雰囲気を出したのか解説が入る、これから何か作ってみようという方にきっと役立つ一冊です。

 

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同じく修美社から、印刷の現場で毎日のように出る余り紙「紙出(しで)」を使った、アソートによるノート『星屑ノート』も合わせて入荷しております。紙の色も厚さもそれぞればらばら。紙好きにはたまらない一冊ではないでしょうか。

 

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次にご紹介するのは、nakaban+植田真、ふたりの画家による作品集『夜明けまでにはまだ時間がある。』。こちらは西荻窪のギャラリー&ショップURESICAで開催された「夜明けまでにはまだ時間がある。/Dawn is still an hour away.」展の際に発表された絵画をまとめた一冊です。実際に展示された内容に加え、未発表の習作やふたりが交わした往復書簡も一部収録されています。

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「輝く夜」、「島嶼の記憶」、「雨の音」…。展示の前、これから生まれる絵のために用意されたそこから何か物語がはじまるような、詩的な言葉たち。左のページに言葉、右のページに二人の作品が並びます。ページを進めるとふたりの合作が顔を覗かせます。夜、眠る前にいかがでしょう。

 

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現在生活館ミニギャラリーで開催中の「お菓子の包み紙&地元パン手帖合体フェア」に合わせ、12ページの小さな冊子『甲斐みのりさんに聞く「集めるということ」』を著者の甲斐みのりさんと製作しました。通販をご希望される声が多かったため、本日より当店オンラインショップでも販売しております。表紙は関美穂子さん。フェア用に仕入れた地元パンは初日からほぼ完売してしまいましたが、展示は9/15まで開催しております。ぜひご来場ください。

 

それでは今週はここまで。

また来週もお楽しみに。

 

〈今週ご紹介した本〉

■『知床半島』石川直樹(北海道新聞社)

www.keibunsha-books.com

■『SHIRETOKO! SUSTAINABLE』石川直樹/七郎(知床斜里町観光協会)

www.keibunsha-books.com

■『襲美』成田舞・守屋友樹・三重野龍・佐貫絢郁(修美社)

www.keibunsha-books.com

■『夜明けまでにはまだ時間がある。』nakaban+植田真(URESICA)

www.keibunsha-books.com

■『甲斐みのりさんに聞く「集めるということ」』甲斐みのり+恵文社一乗寺店(恵文社一乗寺店)

www.keibunsha-books.com

(鎌田)

 

Swing 14th Exhibition LOVE

ギャラリーアンフェールでは今年もNPO法人スウィングの展示を開催中。NPO法人スウィングは、京都・上賀茂を拠点に障害福祉サービス事業を展開されています。「障害福祉」という殻をやぶり、障害のあるなしを越えた「一市民」として、世の中が今よりほんのちょっとでも楽しいコトになればと、さまざまな活動をされています。

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その活動のひとつ芸術創作活動「オレたちひょうげん族」で制作された作品の展覧会としてここ毎年ギャラリーアンフェールで展示をしていただいています。毎回賑やかで楽しい展示なのですが、今回のテーマは「LOVE」ということで、ハートがいっぱい、LOVEがいっぱいつまった空間になりました。ずらりと並ぶ絵画や詩作品。どれも率直でパワフルで、小難しく考えず心から楽しんでいたくなる、毎回ちょっと元気になれてしまう展示。

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入口に置かれたのは「LOVE LOVE MESSAGE TREE」。

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ふだん伝えられないメッセージをハートの紙に書いて飾りつけてもらう、参加型の作品。ご来場の際はぜひ思いっきり愛をぶちまけていってください。

 

作品をもとに作られた楽しいグッズも充実。

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新しいアイテムのハンカチは、ハンカチ専門店「H TOKYO」とのコラボレーショングッズ。めいっぱい楽しい模様がプリントされたさらりと心地よい肌触りの上質なハンカチです。

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会期中は、似顔絵コーナーやコテージでのイベントも開催されます。似顔絵コーナーでは昨年展示されたQさんがお客さんにインタビューしながら”顔をメカにした”似顔絵を描いてくれるという楽しいコーナー。コテージでは公開制作やトークなど、盛りだくさんできっと賑やかな一日になりそうです。展示と合わせてぜひご参加ください。(詳細は下記展示情報よりご確認くださいませ)

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いろいろな分野で永遠に解けない問題のように語られる「愛」。考えれば考えるほどやっぱりなんだかわからないけど、やっぱり「愛」っていいなあと素直に感じられそう。みなさんにも愛が伝わりますように。ご来場をこころよりお待ちしております。
 
 
Swing 14th Exhibition LOVE
開催期間:2017年8月29日(火)-9月4日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は18:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール
 
「LOVE」という目に見えないモノ。その意味を難しく語るひとも少なくないけれど、もっとシンプルに、自分だけの、特別な、個人的な「LOVE」を、堂々と開けっぴろげにしてみてもいいような気がします。異性への愛、志村けんへの愛、ノンアルコールビールへの愛、尻への愛、三角への愛、愛=花、愛=楽しみな約束…。NPO法人スウィングの面々から放射される様々な「LOVE」の形を、ほんのひととき愛していただければ幸いです♡
 
≪会期中は関連イベントも開催!合わせてお楽しみください≫
 
ワークショップ:LOVE LOVE MESSAGE TREE♡
あのヒトやあのモノへ。ふだん伝えにくい愛のメッセージをご自由にお書きください♡
[期間]8/29(火)-9/4(月)
[会場]恵文社一乗寺店 ギャラリーアンフェール
 
Qの型破り似顔絵「アナタのその顔、メカにします♡」(LOVE ver.)
Qが繰り出す質問に答えてゆくうち、世界に2つとない合体ラブリーなアナタが出現します♡
[日時]8/29(火)・9/2(土)13:00-16:00
[会場]恵文社一乗寺店ギャラリーアンフェール
[料金]おひとり1,000円
 
9/2(日)はコテージにてトーク他、イベントも開催!
詳細はこちらをご覧ください。
http://www.cottage-keibunsha.com/events/20170902/
 
【NPO法人スウィングとは?】
「福祉」ってなんやねん? 「アート」ってなんやねん??  人が「生きること」とか「働くこと」ってなんやねん??? 既成の概念に疑問符を投げかけながら、スウィングはなんだか狭~い「障害福祉」の殻をやぶり、障害のあるなしを超えた「一市民」として、世の中が今よりほんのちょっとでも楽しいコトになればいいな…と願う「NPO」として、様々な活動を展開・発信しています。我ら一市民、我らNPO、我らスウィング!
 
[主催・企画]NPO法人スウィング http://www.swing-npo.com/
 
(上田)

「お菓子の包み紙」&「地元パン手帖」合体フェア②

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甲斐みのりさんの著書『お菓子の包み紙』『地元パン手帖』を記念したフェアが、9月2日(土)より始まります。先のブログでは販売予定のお菓子やお茶、コーヒーに関してご紹介しましたが、続いては「地元パン」から。

 

島根「なんぽうパン」さんから「バラパン」を。こちらは甲斐みのりさんも愛してやまないバラをモチーフとした優雅なパン。

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長野「モンパルノ」さんからは「牛乳パン」。今も変わらぬレトロなパッケージが素敵な雰囲気です。

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高知「永野旭堂本店」さんからはその名も「ぼうしパン」。大きな帽子型の愛らしいパンで、どことなくやなせたかし氏描くキャラクターがかぶる帽子にも似ています。鳥取「亀井堂」さんからは、名物「サンドイッチ」「ラスク」の2種が。いちごジャムとピーナツバターを挟み込んだサンドイッチは懐かしい味わい、ラスクは比較的日持ちがしますので、お土産にもぜひどうぞ。

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そして滋賀「つるやパン」さんからは満を持して「サラダパン」を!タクワンをコッペパンに挟み込んだ説明不要の人気商品、スタッフもいまから楽しみにしています(夏場の販売ですので、できるだけお早めにご賞味ください)。

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お菓子は初日10時から、地元パンは12時からの販売を予定しています。(パンの販売は、なくなり次第終了の予定です。もし余分が生じれば3日も販売は継続しますが、基本は2日を中心とお考えください。食品のお電話でのご予約・ご注文はご遠慮お願いいたします。)

もうひとつお知らせです。今回のフェアを記念して、著者の甲斐みのりさんとささやかな小冊子を制作しました。タイトルは「甲斐みのりさんに聞く"集めるということ"」です。包装紙やマッチ箱など、心くすぐるものを集め続けてきた甲斐さんだけに語れること、聞いてみたいこと、などを当店スタッフがインタビューしまとめました。「持たない暮らし」が注目される昨今、持ち続ける私たちって...?という内容。短いながら、甲斐さんの蒐集魂に触れられる一冊となっているのではと思います。ぜひ包み紙の展示とともにご覧いただければ幸いです。予価200円。

 

「お菓子の包み紙」&「地元パン手帖」合体フェア
9月2日〜9月15日
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

 

(能邨)

今週の新入荷、8月第4週

今週の新入荷、8月第4週をお届けします。

 

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“ラシカルガイプ(コワール語)”=「一過性の妖精の大群」
”ボロソコモダップ(ドホイ語)”=「莫大な量の小さな何かが降る」
”ツウォホ(ツィムシアン語)”=「寝る前におやつを食べる」
”イヨマンテ(アイヌ語)”=「熊祭り、熊送り儀礼」

 

今週まずご紹介する一冊は『なくなりそうな世界のことば』。『翻訳できない世界のことば』『誰も知らない世界のことわざ』など、文化に密接に関わった世界の言語のそれぞれの特異性をイラストとともに紹介するシリーズに新たな定番として連なるような一冊が、前述の2タイトルを出版する創元社より新たに届きました。

今回は少数言語がテーマ。国立民族学博物館に勤める言語学者の吉岡乾さんが、世界の様々な少数言語を研究する人々の協力を得て、それぞれの土地の環境や受け継がれてきた生活などの文化背景が色濃く反映された50の単語を選び、紹介してゆきます。

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例えばこちらは、インドネシアのフローレス島とその周辺の島々で話されているラマホロット語の「デゥバッ」という単語。「手で触ってみるなど触覚を利用して何かを探す」という意味だそうです。この言語が話されている村々ではまだ電気のインフラが整っておらず、何かを探すときに視覚を頼れないため、必然的にこのような言葉が生まれてきたという背景を知れば、その単語の特異性から生活文化そのものにまで関心は広がっていきます。

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それぞれの言葉の意味する状況や場面、そこから膨らむイメージをイラストに描いたのは当店でもおなじみのイラストレーター、西淑さん。牧歌的で美しいそれぞれのシーンがより一層その言語や場面を親しみやすく感じさせてくれます。添えられたキャプションはそこまで詳細なものではなく、イラストは一語に対して一枚のみというシンプルさですが、だからこそ、それぞれの慣習を思い浮かべたり、そこで暮らす人々の実感に読み手が入り込む余白のようなものが用意されているように思えます。

ページを開きながら、これまで考えたこともなかったような世界の暮らしとそこで生きる人々に思いを馳せていただきたい一冊です。

 

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書店員の傍ら、イラストレーターとしても活動する長谷川朗さんの初の絵本『おはよう』も今週の入荷。ポップなカラーリングで描かれた丸や三角、四角。シンプルな図形を繋げたり、増やしたりと様々なバリエーションで組み合わせながらストーリーを展開する長谷川さんの絵本。

画像では少し分かりにくいかもしれませんが、方眼紙にアクリル絵の具で手描きされたイラストからは、ペンの辿った跡、手の動きまでがありありと見えてくるよう。その色彩感覚や発想の自由さに作家の人柄がそのままに現れているようで、眺めていてとても気持ちのいい作品です。

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長谷川さんのリトルプレスはこの他にも、往年の名作絵本のような表紙が目印の作品集『まるさんかくしかく』も同時入荷しています。単純な図形の組み合わせに無限の自由と愛着を感じさせてくれる魅力的なイラストレーション。こちらもぜひ。

 

  

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国際的写真家集団「マグナム・フォト」正会員を務めるアメリカ人フォトグラファー、アレック・ソス(Alec Soth)が2004年に発表した作品集『Sleeping by the Mississippi』。

ミシシッピ川沿いのロードトリップで出会った人々のポートレートや風景、建築物など、アメリカそのものでありながらその内実に知られざる要素を多分に含んだ「サード・コースト(第3の海岸)」を社会学的、地理学的に捉えた写真群。2004年のSteidl版は2000年代を代表するコンテンポラリーフォトブックとして誉れ高く、長らくその復刊が待望されてきました。そのSteidl版を踏襲しつつ、新たに未収録作品なども加えた復刻版がイギリスの写真出版社MACKより待望の入荷。

ロバート・フランク『The Americans』やウィリアム・エグルストン、ウォーカー・エヴァンズらアメリカのロードトリップフォトの系譜に連なり、社会の中で生きる人間の内面の寂寥を印象的に写真に刻んでゆくそのスタイル。ドキュメンタリー性と詩的な感性を内包した美しき現代の肖像をぜひ手にとってご覧いただければと思います。

また今回、2015年にロンドンで開催されたソスの展覧会でリリースされたポストカードブック『Gathered Leaves Postcards』も同時入荷しています。ソスの作品集4作から選ばれた28枚を封入した美しいボックス仕様で、もちろん『Sleeping by the Mississippi』の印象的なショットも含められています。こちらもあわせておすすめです。

 

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最後は書籍ではなく、音楽ソフトをご紹介。

ポルトガルの国民的詩人、フェルナンド・ペソア(1888~1935)。アルベルト・カエイロ、リカルド・レイス、アルヴァロ・デ・カンポスなどの異名を持ち、複数の独立した詩人として詩作したこの作家の作品に、同じくポルトガル語圏のブラジル・ミナスのシンガーソングライターデュオRanato Motha e Patricia Lobatoが曲をつけて歌った2枚組のCD"Dois em Pessoa"(2004)。2000年代のブラジリアン・ミュージックを代表するこの名盤の第2弾"Dois em Pessoa volume Ⅱ"が13年ぶりにリリースされ、当店にも入荷しました。
前作の構成を忠実に引き継いだ2枚組で、簡素な語句の繰り返しから構成されるペソアの詩作の音楽的な響きを、芳醇なハーモニーと豊かなメロディで彩った清涼感あふれる美しい作品です。夏の終わりから秋に至るこの時期にもぴったりなサウンド。ぜひ店頭やウェブショップで一度試聴してみていただければと思います。

  

その他、善行堂の山本善行さんが撰者をつとめた夏葉社の新刊、"忘れられた作家"埴原一亟(1907-1979)の古本小説集、石川直樹さんが編集長をつとめ知床の知られざる魅力を写真を通して伝える『SHIRETOKO!SUSTAINABLE』の1号、ファッションブランド「ホームスパン」から届いた、『装苑』の連載「シネマ・コラージュ」のイラストでもおなじみの中川清美さんの水彩画集『WATERCOLOR PAINTINGS』、佐藤文香さんが編著をつとめ68年以降生まれの俳人たちを紹介した現代俳句案内の決定版『天の川銀河発電所』などが入荷しています。

またこちらは再入荷ですが、オランダのアーティストBruno van den Elshoutが水平線を収め続けた実験的な写真集『New Horizons』から生まれた同名ポストカードブックの新装版もオススメです。

 

それではまた次回をお楽しみに。

 

 

《今回ご紹介した本》

■『なくなりそうな世界のことば』著・吉岡乾 イラスト・西淑/創元社

■『おはよう』長谷川朗

■『Sleeping by the Mississippi』Alec Soth/MACK

■"Dois em Pessoa Vollume Ⅱ"Renato Motha e Patricia Lobato

 

(涌上)

「お菓子の包み紙」&「地元パン手帖」合体フェア①

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生活館にて9/2(土)から、甲斐みのりさんの著書『お菓子の包み紙』と『地元パン手帖』を合体させたフェアが開催されます。先日チラシも刷り上がり、現在店内ほかにて配布中ですが、詳細が続々決まっておりますので、こちらスタッフブログでもご紹介致します。

展示物としては、もちろん甲斐さんコレクションの包み紙がずらりと並ぶ予定です。ミニギャラリーのところせましと広がる包装紙の世界はおそらく存在感もたっぷりで、見ているだけでも楽しんでいただけることと思います。甲斐さんのコレクター魂を肌で感じてください。

そして本に掲載されたいくつかの店舗にご協力いただき、お菓子やお茶、パンなどの商品を実際にお買い上げいただける趣向となっております。お菓子・お茶からは7店舗。地元パンからは5店舗が出店予定。包み紙だけでなく、本物のお菓子をご購入いただけるのも当フェアの目玉となっております。ぜひ架空のお店を楽しむ気持ちでご来店ください。以下にざっとご紹介しますと…。

 

『お菓子の包み紙』の表紙を飾る「まるたや洋菓子店」さんからは名物「あげ潮」のミニ版を。そして扉を飾る桐生・小松屋さんからも名物「花ぱん12個入り」が包装紙つきで届きます。

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続いては長崎「小浜食糧」さんの「クルス」缶今回は鈴木信太郎絵による往年の商品の復刻版が届きます。ノスタルジックなデザインが素敵です。ぜひお楽しみに。また、市川市の「hana homemade sweets」さんからは、「イヌボックス」「ネコボックス」が届きます。名前の通り、イヌ型クッキーとネコ型クッキーの詰め合わせなのですが、なんといっても柚木沙弥郎さんデザインによるそれぞれの箱が本当に可愛い!箱だけでも欲しくなる愛らしさは必見です。

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また、世田谷の「やきがしやsusucre」さんからは山脇百合子さんが絵を添えた愛らしい焼き菓子がつまった丸い缶を。缶のデザインだけでなく独特の焼き菓子の味わいも素晴らしく、お土産などにもオススメです。この機会にぜひご覧ください。

そしてお茶とコーヒーも2種届きます。ひとつは加賀「丸八製茶場」から「テトラボックス」。こちらはほうじ茶や煎茶などのオリジナルティーバッグの詰め合わせとなり、味わいだけではなく飲みやすさも特長です。デザインは九谷焼の意匠が元とされており、伝統的なモチーフの中の思いがけない愛らしさが魅力です。京都ではあまり並ばない加賀のお茶。この機会にぜひご賞味ください。詰め合わせ箱のデザインも必見です。

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もうひとつは、同じ京都は大徳時の「はしもと珈琲」さんが創業者の名前を冠した「akio blend 300g」を届けてくださいます。こちらは原田治さんデザインによるパッケージが魅力。味よし見た目よし、ぜひお手にとってみてください。豆の状態での販売となります。

『地元パン手帖』から出品いただくラインナップに関しては、次回ブログにてご紹介いたしますので、お楽しみに!

 

「お菓子の包み紙」&「地元パン手帖」合体フェア
9月2日〜9月15日
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

 

(能邨)