恵文社一乗寺店 スタッフブログ

恵文社一乗寺店の入荷商品やイベントスケジュール、その他の情報をスタッフが発信いたします。

「お菓子の包み紙」&「地元パン手帖」合体フェア②

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甲斐みのりさんの著書『お菓子の包み紙』『地元パン手帖』を記念したフェアが、9月2日(土)より始まります。先のブログでは販売予定のお菓子やお茶、コーヒーに関してご紹介しましたが、続いては「地元パン」から。

 

島根「なんぽうパン」さんから「バラパン」を。こちらは甲斐みのりさんも愛してやまないバラをモチーフとした優雅なパン。

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長野「モンパルノ」さんからは「牛乳パン」。今も変わらぬレトロなパッケージが素敵な雰囲気です。

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高知「永野旭堂本店」さんからはその名も「ぼうしパン」。大きな帽子型の愛らしいパンで、どことなくやなせたかし氏描くキャラクターがかぶる帽子にも似ています。鳥取「亀井堂」さんからは、名物「サンドイッチ」「ラスク」の2種が。いちごジャムとピーナツバターを挟み込んだサンドイッチは懐かしい味わい、ラスクは比較的日持ちがしますので、お土産にもぜひどうぞ。

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そして滋賀「つるやパン」さんからは満を持して「サラダパン」を!タクワンをコッペパンに挟み込んだ説明不要の人気商品、スタッフもいまから楽しみにしています(夏場の販売ですので、できるだけお早めにご賞味ください)。

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お菓子は初日10時から、地元パンは12時からの販売を予定しています。(パンの販売は、なくなり次第終了の予定です。もし余分が生じれば3日も販売は継続しますが、基本は2日を中心とお考えください。食品のお電話でのご予約・ご注文はご遠慮お願いいたします。)

もうひとつお知らせです。今回のフェアを記念して、著者の甲斐みのりさんとささやかな小冊子を制作しました。タイトルは「甲斐みのりさんに聞く"集めるということ"」です。包装紙やマッチ箱など、心くすぐるものを集め続けてきた甲斐さんだけに語れること、聞いてみたいこと、などを当店スタッフがインタビューしまとめました。「持たない暮らし」が注目される昨今、持ち続ける私たちって...?という内容。短いながら、甲斐さんの蒐集魂に触れられる一冊となっているのではと思います。ぜひ包み紙の展示とともにご覧いただければ幸いです。予価200円。

 

「お菓子の包み紙」&「地元パン手帖」合体フェア
9月2日〜9月15日
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

 

(能邨)

今週の新入荷、8月第4週

今週の新入荷、8月第4週をお届けします。

 

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“ラシカルガイプ(コワール語)”=「一過性の妖精の大群」
”ボロソコモダップ(ドホイ語)”=「莫大な量の小さな何かが降る」
”ツウォホ(ツィムシアン語)”=「寝る前におやつを食べる」
”イヨマンテ(アイヌ語)”=「熊祭り、熊送り儀礼」

 

今週まずご紹介する一冊は『なくなりそうな世界のことば』。『翻訳できない世界のことば』『誰も知らない世界のことわざ』など、文化に密接に関わった世界の言語のそれぞれの特異性をイラストとともに紹介するシリーズに新たな定番として連なるような一冊が、前述の2タイトルを出版する創元社より新たに届きました。

今回は少数言語がテーマ。国立民族学博物館に勤める言語学者の吉岡乾さんが、世界の様々な少数言語を研究する人々の協力を得て、それぞれの土地の環境や受け継がれてきた生活などの文化背景が色濃く反映された50の単語を選び、紹介してゆきます。

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例えばこちらは、インドネシアのフローレス島とその周辺の島々で話されているラマホロット語の「デゥバッ」という単語。「手で触ってみるなど触覚を利用して何かを探す」という意味だそうです。この言語が話されている村々ではまだ電気のインフラが整っておらず、何かを探すときに視覚を頼れないため、必然的にこのような言葉が生まれてきたという背景を知れば、その単語の特異性から生活文化そのものにまで関心は広がっていきます。

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それぞれの言葉の意味する状況や場面、そこから膨らむイメージをイラストに描いたのは当店でもおなじみのイラストレーター、西淑さん。牧歌的で美しいそれぞれのシーンがより一層その言語や場面を親しみやすく感じさせてくれます。添えられたキャプションはそこまで詳細なものではなく、イラストは一語に対して一枚のみというシンプルさですが、だからこそ、それぞれの慣習を思い浮かべたり、そこで暮らす人々の実感に読み手が入り込む余白のようなものが用意されているように思えます。

ページを開きながら、これまで考えたこともなかったような世界の暮らしとそこで生きる人々に思いを馳せていただきたい一冊です。

 

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書店員の傍ら、イラストレーターとしても活動する長谷川朗さんの初の絵本『おはよう』も今週の入荷。ポップなカラーリングで描かれた丸や三角、四角。シンプルな図形を繋げたり、増やしたりと様々なバリエーションで組み合わせながらストーリーを展開する長谷川さんの絵本。

画像では少し分かりにくいかもしれませんが、方眼紙にアクリル絵の具で手描きされたイラストからは、ペンの辿った跡、手の動きまでがありありと見えてくるよう。その色彩感覚や発想の自由さに作家の人柄がそのままに現れているようで、眺めていてとても気持ちのいい作品です。

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長谷川さんのリトルプレスはこの他にも、往年の名作絵本のような表紙が目印の作品集『まるさんかくしかく』も同時入荷しています。単純な図形の組み合わせに無限の自由と愛着を感じさせてくれる魅力的なイラストレーション。こちらもぜひ。

 

  

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国際的写真家集団「マグナム・フォト」正会員を務めるアメリカ人フォトグラファー、アレック・ソス(Alec Soth)が2004年に発表した作品集『Sleeping by the Mississippi』。

ミシシッピ川沿いのロードトリップで出会った人々のポートレートや風景、建築物など、アメリカそのものでありながらその内実に知られざる要素を多分に含んだ「サード・コースト(第3の海岸)」を社会学的、地理学的に捉えた写真群。2004年のSteidl版は2000年代を代表するコンテンポラリーフォトブックとして誉れ高く、長らくその復刊が待望されてきました。そのSteidl版を踏襲しつつ、新たに未収録作品なども加えた復刻版がイギリスの写真出版社MACKより待望の入荷。

ロバート・フランク『The Americans』やウィリアム・エグルストン、ウォーカー・エヴァンズらアメリカのロードトリップフォトの系譜に連なり、社会の中で生きる人間の内面の寂寥を印象的に写真に刻んでゆくそのスタイル。ドキュメンタリー性と詩的な感性を内包した美しき現代の肖像をぜひ手にとってご覧いただければと思います。

また今回、2015年にロンドンで開催されたソスの展覧会でリリースされたポストカードブック『Gathered Leaves Postcards』も同時入荷しています。ソスの作品集4作から選ばれた28枚を封入した美しいボックス仕様で、もちろん『Sleeping by the Mississippi』の印象的なショットも含められています。こちらもあわせておすすめです。

 

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最後は書籍ではなく、音楽ソフトをご紹介。

ポルトガルの国民的詩人、フェルナンド・ペソア(1888~1935)。アルベルト・カエイロ、リカルド・レイス、アルヴァロ・デ・カンポスなどの異名を持ち、複数の独立した詩人として詩作したこの作家の作品に、同じくポルトガル語圏のブラジル・ミナスのシンガーソングライターデュオRanato Motha e Patricia Lobatoが曲をつけて歌った2枚組のCD"Dois em Pessoa"(2004)。2000年代のブラジリアン・ミュージックを代表するこの名盤の第2弾"Dois em Pessoa volume Ⅱ"が13年ぶりにリリースされ、当店にも入荷しました。
前作の構成を忠実に引き継いだ2枚組で、簡素な語句の繰り返しから構成されるペソアの詩作の音楽的な響きを、芳醇なハーモニーと豊かなメロディで彩った清涼感あふれる美しい作品です。夏の終わりから秋に至るこの時期にもぴったりなサウンド。ぜひ店頭やウェブショップで一度試聴してみていただければと思います。

  

その他、善行堂の山本善行さんが撰者をつとめた夏葉社の新刊、"忘れられた作家"埴原一亟(1907-1979)の古本小説集、石川直樹さんが編集長をつとめ知床の知られざる魅力を写真を通して伝える『SHIRETOKO!SUSTAINABLE』の1号、ファッションブランド「ホームスパン」から届いた、『装苑』の連載「シネマ・コラージュ」のイラストでもおなじみの中川清美さんの水彩画集『WATERCOLOR PAINTINGS』、佐藤文香さんが編著をつとめ68年以降生まれの俳人たちを紹介した現代俳句案内の決定版『天の川銀河発電所』などが入荷しています。

またこちらは再入荷ですが、オランダのアーティストBruno van den Elshoutが水平線を収め続けた実験的な写真集『New Horizons』から生まれた同名ポストカードブックの新装版もオススメです。

 

それではまた次回をお楽しみに。

 

 

《今回ご紹介した本》

■『なくなりそうな世界のことば』著・吉岡乾 イラスト・西淑/創元社

■『おはよう』長谷川朗

■『Sleeping by the Mississippi』Alec Soth/MACK

■"Dois em Pessoa Vollume Ⅱ"Renato Motha e Patricia Lobato

 

(涌上)

「お菓子の包み紙」&「地元パン手帖」合体フェア①

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生活館にて9/2(土)から、甲斐みのりさんの著書『お菓子の包み紙』と『地元パン手帖』を合体させたフェアが開催されます。先日チラシも刷り上がり、現在店内ほかにて配布中ですが、詳細が続々決まっておりますので、こちらスタッフブログでもご紹介致します。

展示物としては、もちろん甲斐さんコレクションの包み紙がずらりと並ぶ予定です。ミニギャラリーのところせましと広がる包装紙の世界はおそらく存在感もたっぷりで、見ているだけでも楽しんでいただけることと思います。甲斐さんのコレクター魂を肌で感じてください。

そして本に掲載されたいくつかの店舗にご協力いただき、お菓子やお茶、パンなどの商品を実際にお買い上げいただける趣向となっております。お菓子・お茶からは7店舗。地元パンからは5店舗が出店予定。包み紙だけでなく、本物のお菓子をご購入いただけるのも当フェアの目玉となっております。ぜひ架空のお店を楽しむ気持ちでご来店ください。以下にざっとご紹介しますと…。

 

『お菓子の包み紙』の表紙を飾る「まるたや洋菓子店」さんからは名物「あげ潮」のミニ版を。そして扉を飾る桐生・小松屋さんからも名物「花ぱん12個入り」が包装紙つきで届きます。

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続いては長崎「小浜食糧」さんの「クルス」缶今回は鈴木信太郎絵による往年の商品の復刻版が届きます。ノスタルジックなデザインが素敵です。ぜひお楽しみに。また、市川市の「hana homemade sweets」さんからは、「イヌボックス」「ネコボックス」が届きます。名前の通り、イヌ型クッキーとネコ型クッキーの詰め合わせなのですが、なんといっても柚木沙弥郎さんデザインによるそれぞれの箱が本当に可愛い!箱だけでも欲しくなる愛らしさは必見です。

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また、世田谷の「やきがしやsusucre」さんからは山脇百合子さんが絵を添えた愛らしい焼き菓子がつまった丸い缶を。缶のデザインだけでなく独特の焼き菓子の味わいも素晴らしく、お土産などにもオススメです。この機会にぜひご覧ください。

そしてお茶とコーヒーも2種届きます。ひとつは加賀「丸八製茶場」から「テトラボックス」。こちらはほうじ茶や煎茶などのオリジナルティーバッグの詰め合わせとなり、味わいだけではなく飲みやすさも特長です。デザインは九谷焼の意匠が元とされており、伝統的なモチーフの中の思いがけない愛らしさが魅力です。京都ではあまり並ばない加賀のお茶。この機会にぜひご賞味ください。詰め合わせ箱のデザインも必見です。

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もうひとつは、同じ京都は大徳時の「はしもと珈琲」さんが創業者の名前を冠した「akio blend 300g」を届けてくださいます。こちらは原田治さんデザインによるパッケージが魅力。味よし見た目よし、ぜひお手にとってみてください。豆の状態での販売となります。

『地元パン手帖』から出品いただくラインナップに関しては、次回ブログにてご紹介いたしますので、お楽しみに!

 

「お菓子の包み紙」&「地元パン手帖」合体フェア
9月2日〜9月15日
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

 

(能邨)

Noritake SOME PRODUCTS

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広告や書籍、幅広いジャンルで活躍するイラストレーターのNoritakeさん。サインペンやノートなど、日頃、当店でもお取り扱いしているものも少なくありませんが、そんなオリジナル商品を集めたフェア「SOME PRODUCTS」を、生活館ミニギャラリーにて開催しています。定番ステーショナリーやTシャツに加えて、洗いざらし、くったりした風合いのトートバッグもサイズ違いで20種類以上。手書き書体、パンやボブカットの女の子、シンプルなアイコンを配したデザインは、気取らずに使いやすい。全ラインナップをほぼ網羅し揃えたこの機会を、是非お買い逃しなく。

 

Noritake SOME PRODUCTS
8月19日〜9月1日
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

(田川)

安本麻美「いろとはな」

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ギャラリーでは安本麻美さんの個展「いろとはな」を開催中です。草木染の染料やインクなどを使って描かれた美しい作品が並びます。

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いろんな色がにじんで混ざり合って、夕焼け空のように移ろって、布の上で優しい奇跡が起こったよう。

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大きな作品のハギレなどでつまみ細工も作られています。こちらは草木染の布でつくったつまみ細工作品。「染めてみるまでどんな色が出るかわからなくて、実験みたい」とおっしゃる安本さん。同じ染料でも、まったく色が違ったり、違う染料を重ねて染めると思いもよらない色になっていて驚きます。

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こちらは栗で渋皮煮を作った時のあく抜き汁で染められたそう。(中央)こんなに優しい色になるんですね。

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紅花といえば、赤いイメージですが、藍で染めた上から紅花で染めると、こんな緑色に!(中央)

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秋空を眺めるような作品たち、夏の終わりにじっくりご堪能ください。ご来場をこころよりお待ちしております。

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安本麻美「いろとはな」
開催日程:2017年8月22日(火)~28日(月)
開催時間:10:00-21:00(最終日は18:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール

草木染や染料インクによるにじみを使った絵画作品や、つまみ細工の草花を制作しています。
草花の中には人の手では創り出せない様々な“いろ”があり、そのいろを草花から頂き、
“はな”のように人の心を和ませ、惹きつける作品をつくりたいと願いながら日々制作をしています。
草花の“いろ”とそこから生まれる“はな”を感じていただければと思います。
ぜひ、ご覧ください。


(上田)

ギャラリーアンフェール通信 8/23号

先日、ふと気がつくとそばで蜘蛛がせっせと巣をつくっていて、しばしじっくり眺めてしまいました。縦の糸を放射状にひいて、間を縫うように糸から糸へ飛び移り…頭の中に設計図でもあるかのように手際よく、小さな体で次から次へと美しく糸をひいていく。翌日同じ場所を見てみると、とてもきれいな大きな巣が出来上がっていました。蜘蛛が作り出すいわば"作品"に心ときめいたひととき。

いつか読んだ本で、アウシュビッツに収容された人が大変な労働を課せられいつこの命が消えるかわからないという状況の中で、暮れる夕日をみて「美しい」と感じた人は生き延びたという話がありました。そんな極限状態でなくても、やっぱり何かを見て、感動したり心が躍ったりすれば、どんなサプリメントよりも元気になれたりするもの。
いろんな本や雑貨、そしてギャラリーに並ぶ作品で、忙しい毎日、つらいことがあった時、なんとなく憂鬱気分な時に、心がちょっと元気になるひとときを当店で過ごしていただけたらさいわいです。

さて、この先一ヶ月はどんな展示に出会えるでしょう。ご来店をこころよりお待ちしております。


Swing 14th Exhibition LOVE
2017/8/29(火)-9/4(月) 10:00-21:00(最終日は18:00まで)

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詳細: http://www.keibunsha-store.com/gallery/swing-14th-exhibition-love

おなじみNPO法人スウィングさんの展示を今年も開催します!今回のテーマは「LOVE」。目に見えなくて、永遠に難しいテーマのように語られる「LOVE」を、もっとシンプルに堂々と開けっぴろげにしてみてもいいのでは、と開催される今回の展示。いつも賑やかで楽しい展示をしてくださるスウィングさん、きっと今回も、溢れんばかりのいろんなカタチの愛が詰まった展示になることでしょう。会期中はギャラリー内やコテージで関連イベントもあって盛りだくさん。たっぷり「LOVE」を感じてください。


「COLORS」natsuki tsukagoshi icing cookies exhibition
2017/9/5(火)-9/12(火) 10:00-21:00(最終日は18:00まで)

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詳細: http://www.keibunsha-store.com/gallery/5810

今回はちょっと変わった「アイシングクッキー」の展示。『可愛いだけじゃ終わらない』をモットーに、心が温かくなったり、マイナスな感情がそっと抜け落ちるような“心の空間デザイン”を目指して、お菓子を使ったアート作品を発信。いろいろなジャンルの場で活躍されている塚越菜月さんの個展です。タイトルは「COLORS」。クッキーに彩られた甘い砂糖のいろんな色が、どんなふうに私たちの目に映って、どんな気持ちにしてくれるのか、ご期待くださいませ。


イイダ傘店 平成二十九年 秋 日傘・雨傘展
2017/9/13(水)-9/25(月) 10:00-21:00(最終日は18:00まで)
※13日(水)が初日となります。

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詳細: http://www.keibunsha-store.com/gallery/5852

お待ちかね、イイダ傘店 受注会の開催です!たくさんの見本の中からお好みの布や柄を選んで組み合わせてオーダーする自分だけの傘。イイダ傘店さんの魅力はなんといってもおしゃれでユーモアたっぷり楽しいオリジナルテキスタイルの数々。花や鳥のほか、お寿司やおでん模様なんてのも並びます。大好きなテキスタイルを選んで、雨の日が待ち遠しくなる色とりどりの夢のような傘をつくりませんか。傘の他に、オリジナルテキスタイルでつくられた小物も販売、こちらも毎回大人気です。すぐなくしがちな傘も、こんな素敵な傘なら宝物になりそう!ぜひお気軽にお立寄りくださいませ。


<ギャラリーアンフェールでは一年先までレンタルお申込みを受付中!>
空き状況 http://www.keibunsha-store.com/about-gallery/availability
利用規程 http://www.keibunsha-store.com/about-gallery/rules
見学、相談も随時受付けています。まずはお気軽にお問合せください。
恵文社一乗寺店 ギャラリーアンフェール(担当:上田)
E-mail:enfer@keibunsha-store.com
TEL:075-711-5919

 

(上田)

 

 

今週の新入荷、8月第3週

今週の新入荷、8月第3週をお届けします。

 

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何かと良くしていただいている「器と本の店 nowaki」さん。少し前まで開催されていたnakabanさんの展示に際して発行された一冊『Turpentine』が届きました。2年前刊行された『よるもや通信集』に続く、nakaban漫画集第2作です。(※『よるもや通信集』は版元品切中。)もう先月のことですが、こちらの展示のオープニングライブが当店のイベントスペースで開かれました。nakabanさんのライブペインティング+幻燈と、植田真さんのギター。完全に即興のセッションだったそうですが、まるで映画を見ているような、展開が次々に変わっていく素晴らしいパフォーママンスでした。

 

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Turpentine / ターペンタインは油絵を描くときに使われる松脂の精油のこと。生い茂る松林から始まる海辺の街を舞台にした7つの話は、どこか風も爽やかで、ふらっと旅に出たくなるような作品です。なんとなく頭に浮かんできたのは佐々木マキの漫画で、そういえば作品集の名前は『うみべのまち』だったと、自分の頭の中で合点がいきました。nowaki編集室の筒井大介さんは、絵本の編集者として数多くの書籍を手がけていて、nowakiから出版される本ももちろん筒井さんの編集によるものです。nakabanさん、筒井さんとお話しする中で、多くの少年たちと変わらず、幼い頃漫画をこよなく愛していたことを聞き、普段絵本の絵を担当することが多いnakabanさんの漫画集がなぜnowakiから刊行されたのか、その理由がよくわかりました。「ガロ」や往年の漫画雑誌に掲載されていたような、ほんのり薄暗い、絵本のような本です。夜寝る前に眺めたい一冊。

 

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続いて、イラストレーター・高橋由季さんのイラスト集『ニューテレポーテーション』。名古屋のON READINGさんで行われていた展示に合わせ制作されたこちらの一冊。とびきりキュートな女の子のイラストを描く高橋さん。今回の作品集では、テレポーテーション、テレキネシス、テレパシーといった超能力を使う女の子の姿を描きます。作品によってはコマ割がされていたり、短いページの中にストーリーが組み込まれていたりと、時折漫画のような手法がとられたユニークな作品です。

偶然にも同時期に発行された、ギャラリー併設の本屋が制作した2冊の作品集。何かと共通項を探してしまいます。あわせていかがでしょうか。

 

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お金がないと贅沢はできないのか。ないものねだりからあるものみっけの考え方へ。

誰もが思い浮かぶ豊かな生活への憧れから生まれる、漠然とした未来への不安。その前提ともなる暮らしにまつわる常識を作り直す広告や映画、編集を生業とするある一組の家族からなる編集・冒険チーム「暮らしかた冒険家」。彼らの仕事や考え方に紙媒体で触れる『よむ 暮らしかた冒険家』の第一号が入荷しました。

 

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エコハウス、自給自足、キャンドルナイトなどなど、あらゆる行動を起こし、「君たちの暮らしはアートだ」と坂本龍一に言わしめた彼らが2014年に移住した北海道、札幌。そのきっかけは第一回札幌国際芸術祭のディレクターとして指揮をとった坂本さんの「札幌に引っ越せる?」という何気無い一言だったそうです。そして札幌で広がった活動の幅や、出会った人々。最初の一冊でもあるこちらでは、坂本さんとの対談からこれまでの数年を振り返る、彼らのルーツを探るような内容となっています。暮らしを良くするには、置かれた現状を嘆くだけではなく、実際に行動すること。なんでも実践してみる彼らの姿に勇気付けられます。今後の活躍にも注目したい一家です。

 

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最後に。広く開けたジャンルではないにもかかわらず、『こけし時代』はじめ当店では根強い人気のこけし本。今回刊行された『伝統こけしの本』は、こけしそのものの定義や歴史、種類を紹介したヴィジュアルブックです。著者はグラフィック社「民芸の教科書」の萩原健太郎さん。直接職人を訪ね、生の声とともに民芸を私たちに届けます。本書でも、11もあるこけしの系統をそれぞれ区分し、伝統を引き継ぐ13人の現役工人にインタビューを実施した、こけしファンにはたまらない一冊です。そして、京都のこけし好きと言えば欠かせない、マヤルカ古書店のなかむらあきこさんも巻末にて、自身のこけし愛を語られています。

 

それでは、今週はここまでとさせていただきます。

来週もお楽しみに。

 

(鎌田)

 

〈今回紹介した本〉

■『Turpentaine』nakaban(nowaki)

www.keibunsha-books.com

■『ニューテレポーテーション』高橋由季(ELVISS PRESS)

www.keibunsha-books.com

■『よむ 暮らしかた冒険家』(暮らしかた冒険家)

www.keibunsha-books.com

■『伝統こけしの本』萩原健太郎(スペースシャワーネットワーク)

www.keibunsha-books.com