恵文社一乗寺店 スタッフブログ

恵文社一乗寺店の入荷商品やイベントスケジュール、その他の情報をスタッフが発信いたします。

絵本『ぼくのおじいちゃん』パネル展示のご案内

f:id:keibunshabooks:20170321202029j:plain

国内の絵本ではまず見かけないような色彩と、版画のような少し擦れた風合いがなんとも可愛らしいポルトガルの絵本『ぼくのおじいちゃん』(アノニマ・スタジオ)。おちゃをしたり、ピラティスやドイツ語を習ったり、友達と一緒に川べりでランチをしたり。こんなに自由な毎日。自分がしたいことをしながら、楽しく暮らすおじいちゃんの姿が小さな子どもの目線から語られています。

f:id:keibunshabooks:20170321202047p:plain

実は、この絵本にはもう一人、隣人のライトさんという人物が登場します。会社勤めの若いライトさんと、自由を謳歌するおじいちゃんの対比がこれまた面白い。ライトさんはいつも時間に追われていて、時計職人のおじいちゃんは時計を身につけてさえいない。電子レンジで温めたものをオフィスで食べるライトさんと、芝生の上でランチをするおじいちゃん。宅配ピザを頼むライトさんと、自家製のパスタを愉しむおじいちゃん…。延々とこの調子で物語はすすみます。

f:id:keibunshabooks:20170321202309p:plain

そんななかでおじいちゃんからつぶやかれる「わしも むかしは じかんを きにしていた」というセリフ。どのページでもおじいちゃんとライトさんは同じ構図で描かれ、それでも日々の楽しみ方は正反対。きっとそんな含意はないのでしょうが、もしかするとライトさんはおじいちゃんの若いころの焼写しなのかと想像してしまいます。読み返すほどに、歳を重ねるということが楽しくなるような、素敵な物語です。

f:id:keibunshabooks:20170321202349p:plain

翻訳はソール・バスや、ミロスラフ・サセックの絵本を日本に紹介してきた松浦弥太郎さん。絵本の雰囲気に合わせ、多色の色鉛筆で書いたと思われる松浦さんサイン入りのものもご用意しております。アノニマ・スタジオの絵本は毎回面白いので、ご興味がある方は調べてみてはいかがでしょうか。当店のオンラインショップでもこれまでにアノニマ・スタジオから出版された絵本の掲載も増やしていく予定です。お楽しみに。

f:id:keibunshabooks:20170321202114j:plain

また、現在書店奥の壁面にてパネル展を開催中です。あえてページの順番などを無視して掲示しています。お立寄りの際はこちらも是非ご覧ください。

(鎌田)

平成二十九年 春 イイダ傘店 雨傘・日傘展のお知らせ

f:id:keibunshabooks:20170321195658j:plain

いよいよ23日(木)より、イイダ傘店さんの受注会が始まります。毎年の恒例イベントですが、今回の会場は当店奥のコテージ。どんな空間に仕上がるのか、今からとても楽しみです。受注手順は、傘骨のサイズや手元などを選べるセミオーダー方式。雨傘は、透明感のある色鮮やかなプリント生地のほか、ほぐし織りやジャカード織りの、表情豊かな新作生地から、日傘は二十八年秋のテキスタイルよりお選び頂けます。

f:id:keibunshabooks:20170321195734j:plain

f:id:keibunshabooks:20170321195755j:plain

f:id:keibunshabooks:20170321195801j:plain

傘以外にも、写真上にある、防水生地を使用した丸々とした形の新作アイテム(正体は会場にてお確かめください!)、日傘用のパラソルフレグランスなど、オリジナルグッズがたくさん。雨の日が楽しくなるような品々が並ぶ10日間、皆さまのご来場をお待ちしております。

 

平成二十九年 春 イイダ傘店 雨傘・日傘展
3月23日(木)~4月1日(土) 
恵文社一乗寺店 コテージ

 

(田川)

 

久留米絣MONPE 入荷のおしらせ

f:id:keibunshabooks:20170320190836j:plain

筑後のものづくりの魅力を伝えるアンテナショップ「うなぎの寝床」が、久留米絣の工房と手を組み開発した、現代版もんぺ。昨年春に久留米絣のフェアを開催した際にも少しだけご紹介させていただき、ご好評を得ていたアイテムが種類も新たに再入荷しました。今回納品ただいたのは無地(ブルー、レッド、グリーン)と、クロス模様(ブラック、グレー)の計5種類。

f:id:keibunshabooks:20170320190914j:plain

f:id:keibunshabooks:20170320190920j:plain

もんぺと聞くと野良作業、労働服のイメージがありますが、こちらは昔ながらのもんぺに比べて腰回りがすっきり細身。特にひざ下を少し絞ったデザインなので、普段着として気楽に着こなして頂けます。綿100%ですので肌触りも良く、ストレスなく一年中お使い頂けます。ウエストはゴムなので、脱ぎ着も簡単。さらに腰紐で調整可能です。もちろん農作業着としてもお使い頂けますが、外へ出かける機会が多くなるこれからの季節に、1枚あれば重宝すること間違いありません。
(※モデルの身長は158cm、Sサイズを着用しています)

f:id:keibunshabooks:20170320191154j:plain

f:id:keibunshabooks:20170320191201j:plain

生活館にて販売中(近日サイトでも掲載予定です)。

 

(田川)

片井家具道具展 2017・弥生

ギャラリーアンフェールでは現在、「片井家具道具展 2017・弥生」を開催中です。当ギャラリーではすっかりおなじみの片井家具道具さん。今回は厳選された小物や小家具を中心に並べた展示になりました。

f:id:keibunshabooks:20170315233921j:plain

京都で家具をつくられている片井家具道具のデザインコンセプトは「佇む家具」。”圧迫感はないけど存在感はある家具”という家具は、寺社仏閣にも使われた欅(けやき)や栗の日本固有種など国産木材が使用され、木の美しさが際立つデザインにいつも惚れ惚れします。

f:id:keibunshabooks:20170315233821j:plain

こちらは、手のひらいっぱいに木の質感を感じられるようにとデザインされた「手のひら鏡」。丸みをおびた優しくて愛おしい手鏡です。

f:id:keibunshabooks:20170315233836j:plain

f:id:keibunshabooks:20170315233847j:plain

f:id:keibunshabooks:20170315233853j:plain

小物に触れると感じる、心地よい重み、手触り、そして手を離した時にコンと小さく鳴る木の音にほっとします。

f:id:keibunshabooks:20170315233825j:plain

当ギャラリーでは初めてお目見えした「絵本棚」。絵本の表紙が見えるようにディスプレイできる本棚です。子どもの絵本を可愛らしく飾るのはもちろん、写真集やビジュアルブックを並べても格好良い、凛とした佇まい。

f:id:keibunshabooks:20170315233830j:plain

f:id:keibunshabooks:20170315233915j:plain

ほとんどの小物はその日にお持ち帰りいただけます。(小家具、一部の小物は会場で受注を承っております。)新しい生活がはじまるこの時期、大切な人への贈り物にもおすすめです。

f:id:keibunshabooks:20170315233841j:plain

どの家具、小物も、木の質感や美しさを生かして作られた美しい逸品が並びます。静かに日々の暮らしの傍らにいてほしくなる、ぬくもりと強さを合わせもった家具、ぜひ目でみて、手でふれてみてください。ご来場を心よりお待ちしております。

f:id:keibunshabooks:20170315233901j:plain

 

片井家具道具展 2017・弥生

開催期間:2017年3月14日(火)-20(月祝)

開催時間:10:00-21:00(最終日は18:00まで)

開催場所:ギャラリーアンフェール

f:id:keibunshabooks:20170315230233j:plain

今年も恵文社一乗寺店で展示会をさせていただくことになりました。

今回は木の小物を中心に即売いたします。

お祝いの品やちょっとしたお土産にも最適なお品を多数ご用意しております。

是非この機会に片井家具道具のこだわりのアイテムに触れてみてください。

また小さな家具を中心に受注も承りますので、新年度からのこだわりの家具をお探しの方も是非お越しください。

お待ちしております。

 

片井家具道具 http://kataikagudogu.jp/

 

(上田)

今週の新入荷、3月第3週

毎週金曜更新。

その週に入荷した活きが良い本を紹介する「今週の新入荷」、3月第3週をお届けします。

 

海外文学というジャンルが「売れない」と言われる風の中にあって、過去に出版され、その後長らく絶版状態が続いていた傑作が今になって相次いで復刊されています。この復刊ブームともいえるなかで、今ひと際目立っているのはチャールズ・ブコウスキーでしょうか。

f:id:keibunshabooks:20170317171837j:plain

最近復刊した作品を挙げてみます。高橋源一郎にして「柴田訳のブコウスキーは僕の文章の理想像」と言わしめた柴田元幸訳の『パルプ』。先日入荷したばかり、出演した人気番組をぶち壊し、機内中の酒を飲み干したというエピソードが語られたヨーロッパ珍道中『ブコウスキーの酔いどれ紀行』。未公開作品が収録された『ワインの染みがついたノ-トからの断片』。初の邦訳となった短編「アダルトブックストア店員の一日」が収録された文芸誌『MONKEY vol.11』。ブコウスキーの世界に改めて触れる良い機会かもしれません。

 

f:id:keibunshabooks:20170317172104j:plain

忘れた頃になると、思わず手にとってしまう突飛なテーマでアンソロジーを編む講談社文芸文庫。今回出版された、建築家・青木淳選『建築文学傑作選』は、単に内容が建築に関わるという意味での“建築文学”ではなく、小説の構造や手法が建築を思わせる作品を集めたという類を見ない一冊。

この説明だけを読んでもおそらく伝わってこないこの本の魅力。例えば、須賀敦子の作品のように、短い芸術評論のような節が幾重にも重なって、ひとつの小説を構成している小説があります。この幾何学が織りなす構成が、いかに建設の形式と似通っているかということを著者は“建築文学”として解説しているわけです。青木さんの解説を読んでいると、建築という言語で語られる、文芸作品のまったく新しい断面が明らかになります。収録作品も、須賀敦子、開高健、筒井康隆、川崎長太郎、青木淳悟、澁澤龍彦、芥川龍之介、幸田文、平出隆、立原道造と、抜群のセンス。特にこの並びで青木淳悟というのは、どの角度から見ても気になります。講談社文芸文庫らしく、文庫にしては刺激的な値段ですが、ぜひ買って読んでいただきたい一冊です。

 

f:id:keibunshabooks:20170317172335j:plain

兵庫県の小さな町、塩屋。そこに100年以上も前に建てられた洋館“旧グッゲンハイム邸”。長らく空き家となったのち、震災や台風の影響による老朽化で取り壊しの憂き目に遭うところを、森本アリさん家族が管理人となり引き継ぐことになりました。現在は音楽ライブなどを中心に、多目的貸しスペースとして生まれ変わり、塩屋まちづくりの中心としても認知されているようです。そんな訪れた誰もが興味をもつ旧グ邸の修復と再生の軌跡を管理人の森本さん自ら語った『旧グッゲンハイム邸物語』も入荷しています。修復時の設計を手掛けた島田陽、塩屋に馴染み深い音楽家・二階堂和美との対談も収録。安田謙一さんの『神戸、書いてどうなるのか』をお読みになった方はぜひ。

 

f:id:keibunshabooks:20170317172410j:plain

 1970年に親本が発行されてから半世紀。発売から少し遅くはなりましたが、ウィルヘルム・ライヒ×赤瀬川源平挿画による奇書『きけ 小人物よ!』復刻版も入荷しています。

 

f:id:keibunshabooks:20170317172433j:plain

そのほかにも、当店でも毎号人気の、大橋歩さん企画編集写真文章による『大人のおしゃれ 15春と夏'17』。写真家・梅澤勉、デザイナー・大原大次郎が共同企画し、インターネットを通じて東京カルチャーを牽引するインフルエンサーたちのまだ幼さの残る素顔を写したフォトZINE『#イットガーリー』。奈良の小さな本屋“とほん”が刊行を開始した『ブックレットホン 創刊号』。などなど、書店入ってすぐの新刊テーブルも賑やかに。

 

f:id:keibunshabooks:20170317172508j:plain

店内BGMのこと。

ひっそりと拡大しつつある書店内のCDコーナーから。ベルギーを拠点に、各国を旅しながら独自の音楽を生み出す、ル・トン・ミテこと、マクラウド・ズィクミューズの新しいアルバム『複合過去 条件法未来』。約70分のアルバムの中に、1分ほどのショート・チューンを詰め込んだ特異な一枚です。自作の楽器も持ち出してつくられた曲は、それぞれ個性をもちながら、通しで聴いてもまったく違和感を感じない。繰り返し聴いてしまう中毒性があります。数年前、彼が左京区に訪れていたこともあって、近所のみなさまを中心に人気です。店頭でもよく流しています。デモ・トラックを収録したカセット・テープも同時入荷。

 

《今回紹介した本》

『パルプ』C・ブコウスキー 柴田元幸訳 筑摩書房

『ブコウスキーの酔いどれ紀行』C・ブコウスキー 中川五郎訳 筑摩書房

『ワインの染みがついたノ-トからの断片』C・ブコウスキー 中川五郎訳 河出書房新社

『MONKEY vol.11』スイッチ・パブリッシング

http://www.keibunsha-books.com/shop/shopdetail.html?brandcode=000000020836&search=MONKEY&sort=

『建築文学傑作選』青木淳[選] 講談社

『旧グッゲンハイム邸物語』森本アリ ぴあ

『きけ 小人物よ!』ウィルヘルム・ライヒ 赤瀬川源平挿画 片桐ユズル訳 新評論

 

※当店オンラインショップに掲載していない本も店頭に在庫があればお手元までお送りできます。お気軽にお問い合わせください。

(鎌田)

Modern Buenos Aires, Native Argentina

f:id:keibunshabooks:20170317100639j:plain

f:id:keibunshabooks:20170317081912j:plain

f:id:keibunshabooks:20170317100919j:plain

明日からミニギャラリーでは、ご夫婦で世界を旅する「LIFE IS JOURNEY!」による、アルゼンチンフェアを開催します。様々な国を旅し、その土地で見つけた品々をご紹介しているお二人。当店で普段より販売しているマテ茶、Bodhi MATEもそのひとつです。

日本に暮らす私達には馴染みが薄いものですが、マテ茶はミネラルや鉄分などの栄養素が豊富なことから「飲むサラダ」として、本場、アルゼンチンでは日常的に飲まれています。専用の茶壺と、ボンビージャという金属ストローを使うのが伝統的な飲み方ですが、ご家庭でも手軽にティーポットにお湯を注いだり、ヤカンで煮出してお楽しみいただけます。

 

当展示ではこのBodhi MATEに加えて、リサイクルレザーを使用したブエノス・アイレス発のブランドPlanar(プラナー)のコインケースや、お財布も並びます。「平面」を意味するPlanarは、無駄のないシンプルなデザインが特徴ですが、レザーにインクをのせ、型抜きし、ミシンをかける、その全ての作業ひとつひとつが手作りです。

f:id:keibunshabooks:20170317081250j:plain

ハンドメイドの魅力と、都会的なデザインを上手く調和させたplanarのアイテムは、アルゼンチン政府公認で、アメリカのMOMA、ヨーロッパ、ブラジルなど世界の美術館で展示、販売されています。

その他、ブエノスアイレスの現代美術館MALBAのミュージアムショップから届くプロダクトや、南米・アルゼンチンにまつわる文学作品も取り揃えています。
ぜひこの機会にお立ち寄りくださいませ。

 

Modern Buenos Aires, Native Argentina
-LIFE IS JOURNEY! POP UP SHOP-
3月18日〜3月31日
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

 

(田川)

カンタ いろいろ

f:id:keibunshabooks:20170314081034j:plain

先日、当ブログでもご紹介した展示会「シキヤリエ cnr by chahat 2017」は今週末17日(金)まで。会場では壁面を飾るゾウやウマが刺繍されたカンタ(ベンガル地方の刺子布)が目を引きますが、こちら以外にも複数枚、カンタをご用意しています。

f:id:keibunshabooks:20170314081132j:plain

f:id:keibunshabooks:20170314081143j:plain

f:id:keibunshabooks:20170314081151j:plain

まるで色紙を貼るように、布で穴を塞ぎ接いだ跡からは、楽しみながら補修し、一枚を長く大切に扱っていたことが伺えます。表と裏で異なる生地を縫い合わせているものも多いので、お気軽に広げてご覧くださいませ。お部屋のラグやソファカバーとしてなど、自由にお使いいただけます。

※写真は布を畳んだ状態で撮影しています。サイズは150cm×200cm程の品を中心にそれぞれ。価格は税抜24000円~。

 

シキヤリエ cnr by chahat 2017
3月4日~3月17日
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

 

(田川)